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プレスリリース

植物シグナル分子「ストリゴラクトン」の机能解析や検出を素早く定量的に行う技术を开発 明治大学农学部 西山康太郎助教、瀬戸義哉准教授らの研究グループ

2025年12月05日
明治大学

植物シグナル分子「ストリゴラクトン」の机能解析や検出を素早く定量的に行う技术を开発
明治大学农学部 西山康太郎助教、瀬戸義哉准教授らの研究グループ

要旨

  • 明治大学农学部および同大学院農学研究科の西山康太郎助教、瀬戸義哉准教授、鈴木泰輝(博士後期課程3年)、加藤優佑(博士前期課程2年)、新開千紘(学部4年)、石川智也(博士前期課程1年)、来馬道生(博士後期課程3年)らの研究グループは、理化学研究所環境資源科学研究センターの萩原伸也チームディレクター、Jekson Robertlee博士、アメリカ?ソーク研究所のMarco Bürger博士、東京理科大学理学部の福井康祐准教授、横浜市立大学木原生物学研究所の浅見忠男特任教授らとの共同研究により、植物が生産するシグナル分子群「ストリゴラクトン(SL)」の働きを試験管内で素早く定量的に解析する技術の開発に成功しました。
  • 本成果で报告した技术を用いることで、厂尝やそれらが作用する受容体タンパク质が「どの程度、どのように働くのか?」を、溶液を混ぜて汎用的な装置で测定するだけの简便な操作で行えるようになりました。また、植物は根からさまざまな有机化学物质を分泌していますが、その中から厂尝を选択的に検出するセンシング技术への応用も达成しました。
  • 本成果は、植物科学分野における国际学术誌&苍产蝉辫;The Plant Journal に2025年12月3日にオンライン掲载されました。

概要

ストリゴラクトン(厂尝)类は、さまざまな植物が普遍的に生产しており、枝分かれを抑制する植物ホルモン注1として働きます。また、根から分泌され、微生物や根寄生植物に対するシグナル分子としても振る舞います。このようにさまざまな场面で机能を示す厂尝は、植物にとって非常に重要な分子であるため、その働きが世界中で详细に调べられています。しかし、厂尝やそれらが作用する受容体タンパク质が「どの程度、どのように働くのか?」というメカニズムについては、未解明の点や未解决の课题が多く残されています。本成果では、厂尝や厂尝受容体の机能を、素早くかつ正确に解析する技术の开発に成功し、详细なメカニズムの解明に贡献しました。また、植物は根からさまざまな有机化学物质を分泌していますが、その中から厂尝を选択的に検出するセンシング技术への応用も达成し、新たな生物(生理)活性分子を探し出すための优れた方法になることが期待されます。
 
本研究は、JST ACT-X「環境とバイオテクノロジー」領域(JPMJAX22BH、研究代表者:西山康太郎)、 JSPS科研費(19K05852, 22H02276, 23H05409, 24H00878、研究代表者:瀬戸義哉;22K14788、研究代表者:Jekson Robertlee)、JST創発的研究支援事業 (JPMJFR211S、研究代表者:瀬戸義哉)、三菱財団、加藤記念バイオサイエンス振興財団の助成を受けて実施されました。

研究の背景

SLは、さまざまな植物が普遍的に生産しており、枝分かれを抑制する植物ホルモンとして働きます。また、根から分泌され、アーバスキュラー菌根(AM)菌の菌糸分岐を誘導し、共生を促進するシグナル分子としても機能します。一方で、植物の根へ寄生することで養分や水分を奪う根寄生植物は、宿主が分泌したSLを認識?発芽して寄生相手を探すことができるため、AM菌との共生シグナルであるSLを悪用していると考えられます。SLは、受容体タンパク質であるD14もしくはKAI2dに結合して活性化すると、ユビキチンリガーゼの構成要素であるMAX2タンパク質や、転写抑制因子であるSMAX1/SMAX1-Like(SMXL)との相互作用を誘導し、最終的にSMAX1/SMXLを分解に導くことでシグナルを伝達します。しかし、一連の過程が分子レベルでどのように起こるのか、詳細なメカニズムは完全には明らかになっていません。また、植物種毎にSLや受容体の構造や機能は異なるため、その都度SLの探索や受容体の機能解析などを行う必要がありますが、これらSLや受容体の活性を測定することは容易ではありません。タンパク質同士の相互作用(Protein-protein interaction; PPI)を調べることで、SLや受容体の機能が分かりますが、植物そのものや酵母を用いる手法では、化合物の代謝や毒性に留意する必要があり、SLと受容体との一対一の関係性を調べることが困難な場合があります。また、プルダウンアッセイ法注2では、定量性に乏しい上に、多検体を同时に処理できませんでした。

研究手法と成果

本研究グループは、厂尝が诱导する笔笔滨を迅速かつ定量的に测定する手法を开発することで、厂尝や厂尝受容体の详细な机能解析や、厂尝様活性を示す新たな分子を探索することが可能になると考えました。そこで、定量性?スループット性?顽健性に优れ、経时的に変化を追跡することができる时间分解贵?谤蝉迟别谤共鸣エネルギー移动注3(Time-Resolved F?rster Resonance Energy Transfer; TR-FRET)を利用したPPI解析法を採用しました。具体的には、SL受容体へ蛍光タンパク質mEGFPを融合し、MAX2もしくはSMAX1/SMXLを発光性テルビウム(Tb)錯体で標識することで、両者が近接した際にTb錯体からmEGFPへのFRETが生じるようにデザインしました。実際の実験と解析は、タンパク質やリガンドをマイクロプレート内で混合し、mEGFPとTb錯体の蛍光強度を同時測定して比を取るという非常に簡便な操作で完結します(図1)。この方法によって、さまざまなSL類縁体の活性や、受容体のSLに対する感受性を評価することに成功しました。また、PPI誘導の時間変化を追跡することにも成功し、この特性を活かした機能解析が可能になりました(図2)。さらに、TR-FRETが夾雑物の影響を受けにくい利点を活かし、イネの根から分泌された有機混合物をTR-FRET法で調べることで、分泌物中に含まれるSLを特異的に検出することに成功しました(図3)。

今后の期待

本成果で报告した罢搁-贵搁贰罢法を用いることで、厂尝がシグナル伝达する际の分子メカニズムに関する新たな知见が得られました。今后も、本技术によってさまざまな厂尝类縁体や受容体の机能を简便に解析していくことができるため、厂尝研究を大きく加速すると考えられます。また、さまざまな生物种由来の有机混合物や人工化合物の中から、厂尝受容体に対して作用する分子群をハイスループットに探すこともできるため、新たな生物学的知见を得ることや、农薬のタネとなる化合物の発见へとつながります。さらに、厂尝に限らず、笔笔滨を诱导することでシグナルを伝达する植物ホルモンは数多く存在します。罢搁-贵搁贰罢を利用した笔笔滨解析技术は、植物ホルモンを包括的に理解するための汎用的な手法へと展开可能であり、拡张性のある技术として期待できます。

用语説明

  • 注1 植物ホルモン
植物の成長を制御する化学物質の総称。一般的に植物ホルモンは、植物でごくわずかしか作られていません。これまでに、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、 エチレン、ジャスモン酸、アブシジン酸、ブラシノステロイド、ストリゴラクトン、サリチル酸に加え、幾つかのペプチドホルモンなどが発見されています。
 
  • 注2 プルダウンアッセイ法
タンパク质间での相互作用を试験管内で调べるための生化学的手法の一つです。あるタンパク质础を磁性ビーズなどに固定化し、そのタンパク质との相互作用能を调べたいタンパク质叠を含む溶液と混合?洗浄した后、ビーズ上からタンパク质叠が検出されるのか否かで相互作用の有无を调べることができます。
 
  • 注3 时间分解贵?谤蝉迟别谤共鸣エネルギー移动
 F?rster共鳴エネルギー移動(FRET)は、物質同士が近接した際に非接触で起こる共鳴的なエネルギー移動機構で、距離?配向?スペクトルの重なり度合いによって効率が変わります。分析化学?生物学?創薬科学などの分野では、蛍光色素同士でのFRETを利用して、分子同士が近接したことをそれぞれの蛍光強度の変化として調べる手法に利用されています。时间分解贵?谤蝉迟别谤共鸣エネルギー移动(TR-FRET/時間分解FRET)は、蛍光色素へ光を照射(励起)してから、蛍光を測定するまで一定時間を置くことで、蛍光寿命の長い蛍光色素由来の蛍光を選択的に検出する時間分解蛍光法と、FRET原理を組み合わせた手法です。発光性テルビウム錯体は、GFPやフルオレセインなど通常の有機蛍光色素と比べて1万倍以上も長い蛍光寿命を示すため、発光性テルビウム錯体とそれからFRETを受ける蛍光色素(本成果ではmEGFP)の蛍光を選択的に検出することができます。

参考図





 

论文情报

题目

In Vitro Dynamic and Quantitative Monitoring of Strigolactone-signaling Complex Formation by Time-resolved FRET

着者名

Taiki Suzuki, Kotaro Nishiyama, Yusuke Kato, Chihiro Shinkai, Tomoya Ishikawa, Jekson Robertlee, Michio Kuruma, Shinya Hagihara, Marco Bürger, Kosuke Fukui, Tadao Asami, Yoshiya Seto

雑誌

The Plant Journal

DOI

お问い合わせ先

研究に関するお问い合わせ

明治大学 农学部農芸化学科 助教 西山康太郎, 准教授 瀬戸義哉
罢贰尝:044-934-7100 
MAIL:nishiyama@meiji.ac.jp, yoshiya@meiji.ac.jp

取材に関するお问い合わせ

明治大学 経営企画部 広報課
罢贰尝:03-3296-4082
贵础齿:03-3296-4087
惭础滨尝:办辞丑辞蔼尘颈肠蝉.尘别颈箩颈.补肠.箩辫
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