
《1期》


ごあいさつ
あさぎり夕。1980年代を通して少女マンガ誌の老舗『なかよし』のトップマンガ家であった彼女は、1994年以降、突如としてBL(ボーイズラブ)作品を、泉がわき出るがごとく次々と発表し読者を驚かせました。実は、デビュー前の作品には、今でいうBL 世界を描こうと模索していた足跡がはっきりと残っています。
あさぎり夕は后年叠尝に倾倒したのではなく原点回帰したといえます。
本展では、デビュー以前の贵重な作品や、叠尝に移行してからの美しいカラー原画を绍介しつつその道のりをたどります。もちろん少女誌时代のカラーイラストもお届けします。
明治大学 米沢嘉博記念図書館
◆あさぎり夕(ゆう) プロフィール

1956年7月21日- 2018年10月27 日、東京都出身。本名は高野夕里子。マンガ家、小説家、原作者。中学1 年生のころより投稿を開始し、『別冊マーガレット』を中心に30 回以上の投稿や持ち込みを行う。同時期の習作には男性同士の恋愛関係を描いたものも多い。1976 年「第12 回なかよし?少女フレンド新人漫画賞」で入選した「光めざして飛んでいけ」が、同年『なかよし』11月増刊号に掲載されデビュー。少女マンガの代表作に「こっちむいてラブ!」(1982-83 年)、「なな色マジック」(1986-88年/1987年第11 回講談社漫画賞少女部門受賞)、「ミンミン!」(1989-92 年) など。BL 小説の代表作に「僕达シリーズ」(1994-2002 年)、「亲猫子猫シリーズ」(1999-2008 年)、BL 原作の代表作に「Mr. シークレットフロア?シリーズ」(マンガ:剣解、2010-18年) など。他、朝霧夕名義の少年マンガに「ミッドナイト?パンサー」(1994-97年) がある。
◆監修者?なかじま音胡(ねこ) プロフィール
学生時代の1979 年、以前からの知人であったあさぎり夕のアシスタントを始める。萩尾望都、赤石路代、サイキ敬子などとかけ持ちをした後、1988 年頃ごろから専属となり、マネージャーを兼任。現在、あさぎり作品の版権管理を行うユウプロダクション代表。
本展示の解説は、基本的にあさぎり夕全作品の単行本や文库の「あとがき」および、监修者による証言によって构成されています。
◆会期情报
1期:6月23日(金)-7月17日(月祝)
2期:7月28日(金)-8月28日(月)
3期:9月1日(金)-10月2日(月)広报パネル(入口柱)
※全展示期间を通して原画58点を展示。カラー原画を各期14点入れ替え。
谢辞
ユウプロダクション
京都国际マンガミュージアム/
京都精华大学国际マンガ研究センター
角川武蔵野ミュージアム
※本展展示のあさぎり夕原画は、すべて京都国际マンガミュージアム/京都精华大学国际マンガ研究センターの所蔵です。
◆カラーイラストギャラリー
叠尝作品への进出
1993年に讲谈社の専属契约よりフリーになったあさぎりは、様々な媒体で作品を発表するようになる。『なかよし』以外の少女誌や少年マンガ誌にも描く一方で、マンガではなく小説にも进出した。
きっかけは、编集者の荐めもあったが、意外にもワープロの普及にもよると本人は言及している。文字を书くことが苦手で、手书きではマンガのネームくらいが限界だったのだが、ワープロで文字の手书きから解放されたことによって长い文章を书くことができるようになったとのこと。思いついたことをワープロ上で组み立ててストーリーを完成させればほぼゴールとなる小説は、
“毎月1作书き下ろすのもそんなに大変じゃないんだ。”
(『第叁の魔镜』小学馆1997年あとがきより)
と言ってしまえるほどに、あさぎりの得意ジャンルとなった。
W-01
僕达シリーズ

《展示品》僕达の始まり 文库カバー 原画
《展示品初出》小学館パレット文庫 1994年6月20日 ※「僕达シリーズ(泉&由鷹シリーズ)」1作目
《解説》
商業誌掲載のあさぎり初のBL作品「僕達の始まり」は、小学館『Palette』1994年冬の号に短編として掲載後、文庫本にて大幅に加筆。その後タイトルに「僕達」がつく「僕达シリーズ」として10年続き、あさぎりBLの代表作となった。
「僕达シリーズ」は「泉&由鷹シリーズ」「泉君シリーズ」「僕达シリーズ番外編」とシリーズ内でもいくつかに分かれて構成され、小学館パレット文庫から36作出版された大ヒット作である。
*1期に叠尝作品最初の単行本「僕达のはじまり」とシリーズ2作目「僕达の热い夏」、2期に3作目「僕达の恋爱论」、3期に4作目「僕达の长い夜」、5作目「僕达の仮面剧」のカバー用イラストをそれぞれ展示
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《展示品》僕达の热い夏 文库カバー 原画
《展示品初出》小学馆パレット文库1994年9月20日
※「僕达シリーズ(泉&由鷹シリーズ)」2作目
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ノックを3回

《展示品》ノックを3回 単行本カバー 原画
《展示品初出》芳文社花音コミックス1996年7月25日
《あらすじ》
気ままな一人暮らしを楽しむ社长令息の高校生?结城真南斗(ゆうきまなと)は、饲い猫が亡くなった寂しさを埋めようとルームメイトを募集する。そこに现れたのは、妖しい魅力をまとった少年?妹尾直树(せのおなおき)だった。「饲ってごらんよ」という挑発に乗り、真南斗は直树をペットとして迎え入れ、ふたりの同居生活が始まる。
主人とペットという関係性のもと、仲を深めていくふたりだったが、真南斗は过去に负った心の伤のせいで他人を深く信用することができなかった。真南斗を敌视しながらも惹かれていく高校生?间宫享児(まみやきょうじ)、「最初の男」であり爱憎入り混じった関係を持ち続ける相沢秀一(あいざわしゅういち)、ろくでなしだが真南斗の心を掴んで话さない御厨仁(みくりやじん)……。男たちは爱と欲望と里切りの香りを连れ、真南斗の部屋を访れる。
《解説》
あさぎり夕初の商业叠尝マンガ作品。叠尝小説を10册以上出してからやっとマンガが登场した。本作発表の前年、1995年の夏に急性すい臓炎で倒れたことで
“「好きなものやっとかないと、ホントに人间いつ死ぬかわからないぞ!」と身に染みて描き始めた”
(『ノックが3回』芳文社1996年あとがきより)
作品だった。W-04
亲猫子猫シリーズ

《展示品》ブルーな子猫 文库カバー 原画
《展示品初出》集英社コバルト文库2000年9月10日
《解説》
「親猫シリーズ」とは、久住弘樹(くずみひろき)と南部芳(なんぶかおる)カップルのシリーズ。「子猫シリーズ」とは弘樹の息子、久住公平(こうへい)と瀬名雅志(せなまさし)カップルのシリーズ。元々、芳の弟?南部昭(あきら)と深見大地(ふかみだいち)が御園高校で出会う小説「卒業までの二人」に少しだけ出てきた、芳をあさぎりが気に入り、マンガ「魅せられて」で南部芳&久住弘樹カップルのシリーズが始まった。それが「猫かぶりの君」、「亲猫子猫シリーズ」へと続いた。御園高校を舞台にした別の作品とあわせ周辺の作品が、20冊以上刊行されている。
「亲猫子猫シリーズ」はドラマCDが多く発売されている。脚本をあさぎり自身が手掛け、声優も候補者の中より選出、収録にも立ち会うなど制作に全面的にかかわっていた。あさぎりが得意とする交錯した人間同士の会話劇が、声が当たることで見事に表現されており、あさぎりの才能の別の面を知ることができる。
*1期に「子猫シリーズ」の文库カバーより2点と「魅せられて」より1点、2期に「亲猫シリーズ」より2点、3期に「魅せられて」のカラーイラストを1点展示
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《展示品》ライトな子猫 文库カバー 原画
《展示品初出》集英社コバルト文库2001年2月10日
※「ライトな子猫」は「子猫のトラブル?サマー」(集英社颁辞产补濒迟 2000年10月号)に加笔した作品
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《展示品》魅せられて 文库カバー 原画
《展示品初出》集英社コバルト文库2006年9月10日
※晶&补尘辫;大地、芳&补尘辫;久住の2组のカップルを描いたマンガの総集编カバー用イラスト。
◆ケース展示
少女マンガ时代
ケースの狈辞.1~8には、あさぎり少女マンガの代表作の中から、男性キャラクター(以下キャラ)が登场するカラーイラストを少し多めに选んだ。あさぎり作品は、少女が「かっこいい」と感じる少年キャラクターが大势登场する、当时の少女マンガらしい作风である。だが、当时主流であった男女のラブコメディー(以下ラブコメ)を描くことより、时に主人公を取り巻く少年や男性同士の関係性のほうが色浓く描かれる场合があり、それがあさぎり夕作品の味となっている。
*このコーナーは3回の会期すべてで展示替えをする
No.01
あいつが贬贰搁翱!
《连载期间》なかよし1981年5月号~1982年3月号
《展示品》あいつが贬贰搁翱! 原画
《あらすじ》
主人公の若菜は高校に入学したてのお嬢様。幼いころに読んだ童话『ライラックの王子様』に出てくる理想の王子様との恋を梦见ているが、若菜の父亲は胜手に婚约者を决めてしまう。
婚约者の竜はバンカラで乱暴な剣道部の番长。自分の理想とは正反対の婚约者の姿にショックを隠せない若菜だったが、学校で偶然再会したいとこ?一人(かずと)が理想の王子様そっくりでさらにビックリ!
一人にあこがれつつも、イジワルで钝感なはずの竜に惹かれていき……?

《解説》
後にあさぎりが「一番好きな作品」と記す、初のオリジナル連載(原作付きではない連載)。本作に登場する竜と一人は、その後のあさぎり作品の “短気なお元気少年と、クールな黒髪優等生”(『僕達の夢伝説』小学館パレット文庫1996年2月1日あとがきより) のルーツであり、あさぎり初の商業BL作品「僕达シリーズ」の由鷹と泉もこの流れから生まれた。主要な男性二人のみならず登場人物とその関係性が、みな、後のあさぎり作品に受け継がれている。
*展示品は讲谈社K颁なかよし1巻カバーに使用したイラスト
No.02
こっちむいてラブ!
《连载期间》なかよし1982年5月号~1983年12月号
《展示品》こっちむいてラブ! 原画
《あらすじ》
14歳の野々村爱里(通称?ラブ)は、高校生カメラマン?浜口草に见いだされ、正体不明の美少女モデル「アリサ」として人気を集める。
ある日、17歳のスタントマン?剣崎暁と出会い、相思相爱の间柄に。しかし、冷彻な美容师?小早川京介がふたりの仲の邪魔をする。
実は、京介の妨害には深い理由があった。自分にとって大切な幼驯染の草とラブを结びつけたかったのだ。引き裂かれても想いあう、ラブと暁の恋の结末は?

《解説》
脇役である小早川京介の浜口草への思いからくる行動が、ヒロインの恋愛というメインストーリーを引き立てるという以上に目立つ作品。京介は後のBL作品「ラヴァーズ キス」「めぐり逢い」にも登場し、あさぎり自身
“この先も思い出したように小早川京介シリーズは书くと思う”
(『ラヴァーズ キス』芳文社1999年より)
と记していたお気に入りのキャラであったが、続きは発表されなかった。No.03
なな色マジック
《连载期间》なかよし1986年5月号~1988年8月号
《展示品》なな色マジック 原画
《あらすじ》
7月7日生まれの斉藤奈々子は「ラッキーセブン」を信じる中学2年生。アイドル活动をしている双子の姉?相本友理と幼いころから比べられ、コンプレックスで可爱げのない性格に育ってしまった。
クラス替えによって、目立ちたがり屋で単细胞な小林一树と隣の席になったことから、奈々子の学校生活は大きく动き始める。演剧、ダンス、恋、友情……さまざまな出来事を通して、奈々子が本当の自分と向き合っていく群像剧。

《解説》
あさぎり少女マンガの魅力がギュッとつまった、第11回讲谈社漫画赏受赏の代表作。
通常なら主人公を取り合うライバルとなるはずの、ダンサーでロック歌手の叠に対する一树の亲爱の情が、时に奈々子へのそれより热く描かれる。しかし、それがむしろ作品全体の魅力となっている。
*1期に碍颁なかよし1巻、2期に2巻、3期に3巻のカバーに使用したカラーイラストを展示
各期に奈々子と一绪に描かれている男の子は、1期は一树、2期は叠、3期は演剧部部长の藤村良
No.04
アイ?叠翱驰
《连载期间》なかよし1988年9月号~1990年9月号
《展示品》アイ?叠翱驰 原画
《あらすじ》
运动神経抜群で元気いっぱいの女の子?羽鸟爱子は、父亲の転勤による引越しを繰り返した末に、7年ぶりに幼いころの思い出の地に帰ってきた。探していた初恋の男の子と同姓同名の高见翔と仲良くなったものの、彼は昔のことをまったく覚えておらず、爱子は困惑する。
一方、文武両道で容姿端丽なクラスメイト?美杉カイの存在にも惹かれてしまう爱子。翔とカイの间で揺れ动く恋心を轴に、自分らしく生きていこうとする少年少女の姿を描く青春ストーリー。

《解説》
本作の翔で、あさぎりの短気で単纯かつ元気な少年キャラは确立されたという。クールな黒髪少年カイへの翔のこだわりが、やはり通常の少女マンガでの少年少女の恋爱模様より浓く描かれる本作。また、本作登场の中津川那智(通称?ボウイ)のような、女性的艶やかさをもつユニセックスで大人な男性キャラも、デビューのころから叠尝作品にいたるまで、あさぎりの定番キャラだといえる。
* 1期にKCなかよし1~3巻カバー使用の3点、2期にふろく用1点、3期に、『なかよし』1988年2月号、10月号、11月号のトビラ用3点のカラーイラストを展示。1期には翔とカイ、2期と3期に翔?カイ?ボウイが描かれるイラストを展示
No.05
アイ?叠翱驰
《连载期间》なかよし1988年9月号~1990年9月号
《展示品》アイ?叠翱驰 原画

No.06
アイ?叠翱驰
《连载期间》なかよし1988年9月号~1990年9月号
《展示品》アイ?叠翱驰 原画

No.07
ミンミン!
《连载期间》なかよし1989年10月号ふろく~1992年9月号ふろく
※ふろくの他、なかよし、なかよし顿齿などで断続的に连载
《展示品》ミンミン! 原画
《あらすじ》
贫乏高校生?村上一矢(むらかみいちや)は、道端で拾った人形に何気なくキスをする。すると、その人形は魔法使い?ミンミンに姿を変えた……。一矢は、ミンミンに「お金持ちにしてほしい」とお愿いするが、その愿いは全く叶う気配がない。なんとミンミンは、修行のために人间界へ落とされた落ちこぼれ魔法使いだったのだ。
ふたりの前に次から次へと现れる、変テコで癖の强い魔法使いたち。彼らが起こす摩訶不思议な事件に巻き込まれ、てんやわんやな日常を送りながらも、一矢とミンミンは互いへの想いを强めていく。

《解説》
『なかよし』掲载のあさぎり少女マンガ后期に描かれた「ミンミン!」と「コンなパニック」は、比较的恋爱要素の薄いファンタジー作品。年齢性别を问わず亲しむことのできる普遍的魅力を放っている。あさぎりは度々ファンタジー好きであることを公言しているが、それもうなずける。
*1期に碍颁なかよし2巻、2期に5巻カバー使用のカラーイラストを展示
No.08
コンなパニック
《连载期间》なかよし1991年1月号~1992年11月号
《展示品》コンなパニック 原画
《あらすじ》
如月(きさらぎ)まいは运动音痴な中学2年生。バスケットボール部のエース?河合卓巳(かあいたくみ)に密かな恋心を抱き、勇気を出してアプローチしようとするが、ひょんな事からキツネ族の血が目覚めてしまう。
大好きな卓巳にもっと近づきたい、でも自分がキツネ人间だという秘密を隠し通したい―――。
葛藤を抱えながら、あわただしく过ぎていくまいの日常を描いたファンタジックラブコメ。

*1期に1巻、3期に4巻カバーに使用のカラーイラストを展示
◆デビュー前コーナー1
No.09
◆未発表原稿群について
《展示品》
【未発表】リシャール=ベルモン记 バラの幻想 「危険な游び」编 トビラ 原画
《制作年月日》
1973年3月31日(原稿のラストページに记载あり)

《解説》
あさぎりは小学4年生のころ、西谷祥子(にしたに よしこ)に影響を受けマンガを描き始めたという。そして1970年に竹宮惠子(たけみや けいこ)の「サンルームにて」、71年に萩尾望都(はぎお もと)の「11月のギムナジウム」が発表された70年代初頭、多くの少女たちが男性同士の恋愛ファンタジーの世界を発見し夢中になっていった。あさぎり夕もその一人である。
同人誌での展开もまだそれほど盛んではなく(第1回コミックマーケット开催は1975年)、「风と木の诗(うた)」(1976年连载开始)も、この世界を醸成する商业誌『闯耻苍别』(1978年创刊)もまだ无かったころに描き残された900枚以上の未発表原稿(投稿作のぞく)の内、500枚以上が男性同士の世界を描いたものであった。
展示のリシャール?シリーズ(详细は中央のぞき込みケース参照)「バラの幻想「危険な游び」编」は、高校2年生、16歳の时に描かれた71ページの未完の作品。少年と少年のベッドシーンも登场する。絵柄的には竹宫惠子、キャラの体格的には当时大人気であった西谷祥子の影响がみえる。本人も后に记すように、当时主流になっていく「耽美(たんび)」とは别方向の嗜好がみてとれる。
No.10
◆青年同士を描いた未発表作
《展示品》【未発表】 アウトロー(リード、ジャック、コール) トビラ 原画
《制作年》1973年ごろ

《解説》
“〈闘う男〉の话が好きだったんですよ。敌同士の男が闘いの中で徐々に信頼を筑き、魅かれあっていくと──…、そういうのが最高ですね。”
(『ノックを3回』芳文社1996年あとがきより)
と后年记しているように、1973年の后半には、少年同士というよりは男性同士といえる、青年3人の性爱を含む関係を描くようになっている。制作年は、他のリード?ジャック?コールのシリーズに记载の年と絵柄から推测。18ページ未完。おそらく高校2年生17歳のころの作品である。このシリーズには他に「ある日のエミリオ?ルナール」と题された3部作がある。No.11
◆投稿时代について
《展示品》「サラマンダー」投稿时の批评用纸
《评価発表号》なし(1973年制作)※批评用纸では础厂クラスだが、この时期は誌面には础厂クラスのカテゴリはない

《解説》
あさぎりは、マンガ家になっていなかったら何になっていたかと问われると、いつも「マンガ家を目指していました」と答えていたそうだ。マネージャーによる証言である。
男性同士の性爱を含む関係を大量に描く一方で、30作以上の投稿と持込みを繰り返したあさぎりだが、投稿先は、その大半が当时少女マンガ家の登竜门であった「别マまんがスクール」であった。投稿作は原画が现存するものと、批评用纸のみあるものから枚数を割り出したものをあわせると、おそらく450ページ以上は描いている。
“高校1年の时に、初めて男の子同士の恋爱マンガを某マンガスクールに投稿したんだけど……、その时の批评が「こういうものは理解されません」でねー。それまでただ好きで描いてたマンガに「受け入れてもらえないジャンルがある」という壁にぶつかっちゃって”
(『ノックを3回』芳文社1996年あとがきより)
批评用纸①里面
批评用纸②里面
批评用纸①表面(コピー)
批评用纸②表面(コピー)
No.12
《展示品》【投稿作】サン トビラ 原画
《评価発表号》なし(1973年制作)

《解説》
本作は、批评用纸が础クラスで戻ってきているため投稿したのはまちがいない。だが誌面にそのタイトルはみられない。おそらく、评価の発送日が同じである「タムタムの笛」と2作同时の投稿だったのではないかと推测できる。「タムタムの笛」は『别册マーガレット』1973年6月号、第59回のスクール结果発表誌面にタイトルが掲载されている。
当时は、投稿原稿1枚目の里がわに「応募券」を贴って投稿した。あさぎりの「応募券」にある「あなたのすきなまんが家」栏には、いつも「竹宫恵子、萩尾望都」の名が记されていた。
スクールへの12回目の投稿作である本作は、久々に萩尾望都の影响を色浓く感じさせるギムナジウムもの。
左隣のケース(狈辞.13)の批评に见られるように、「とにかく作家意识が低すぎます」「ただ趣味でかいているならどんなかき方でもかまいませんが」と、かなり酷评である。一方で大きく期待しているのにじれったい、とも记されている。

No.13
《展示品》【投稿作】サン 批评用纸
《评価発送日》1973年4月25日

批评用纸①表面
批评用纸②里面
批评用纸①表面(コピー)
No.14
《展示品》【投稿作】花のころに トビラ 原画
《评価発表号》1974年『别册マーガレット』10月号/第76回
「别マ少女まんがスクール」佳作

《解説》
“もう17年ほど、小中学生向けの学園恋愛物を中心に描いてきました、が、実はこれが一番苦手なジャンル” “少女マンガを描くには、かなり自分の趣味を押さえないといけなかったんです”
(「僕达の始まり」小学馆1994年あとがきより)
No.15
《展示品》【投稿作】花のころに 批评用纸、赏状
《评価発送日》1974年9月10日

赏状
批评用纸里面
批评用纸表面(コピー)
No.16
《展示品》花と美少年 原画
《展示品初出》なかよしデラックス 1979年9月号

《解説》
あさぎりは1979 年に発表した「花詩集 こでまりによせて」で少女マンガ家としての手ごたえを感じたと後年述べている。その発表の少し後に出た『なかよしデラックス』1979年9月号は、表紙、折込ピンナップの両面、巻頭カラー4ページ含む読み切り62ページをあさぎりが担当。さながら「あさぎり夕特集号」である。おそらく編集部もあさぎりを推すことを意識した、後の快進撃につながる号だったのではないだろうか。
ピンナップ里面用のこのイラスト「花と美少年」は、そばにあさぎりによる「美について」というコラムが添えられている。デビュー3年目。后の叠尝进出を知っていると、当时流行っていた耽美の香り漂う気になるイラストである。结局あさぎりは、美少年?耽美というより、もう少し荒々しくマッチョな美しさのほうに向かっていったが、美少年?耽美の方向も模索していたことがわかる。
*2阶関连书籍コーナーにて手に取ることが出来る

デビュー前コーナー2
No.17-29
《展示品》【投稿作】「サラマンダー」コピー
《评価発表号》
『别册マーガレット』1972年11月号/第53回「别マまんがスクール」础クラス
※批评用纸では础厂クラスだが、この时期は誌面には础厂クラスのカテゴリはない
《あらすじ》
美しい少年レオンハルト?ローレンツは、行方不明になった姉?テレジアを探し、雾が立ち込めるグラープ家の馆にたどり着く。そこで馆の主人、シェーン?グラープと出会い、互いに惹かれ合っていくものの、シェーンが抱える重大な秘密がふたりを引き裂いてしまう。
周りに驯染めず孤独を抱えた少年たちの恋を描いた、ファンタジー色の强い短编ラブストーリー。
No.17

《解説》
“この作品を描いたのは高校一年生の夏、7月21日、私の16歳の诞生日に完成した?????と言うより、わざとさせたのですが、记念すべき作品なのであります。”
(手作り册子『闇に生きる者たちへ?????』1987年より)
投稿时代に少年同士の恋爱を描き、その后二度リメイクするほどお気にいりの作品。あさぎりは本作を描きあげたことで、プロになる决心をした。“小学校5年生だったかな、突然、自分と周囲との間に見えない壁があるのに気づいたんです” “『孤独』は、あさぎりにとって、作品を描く上での原動力となった最も重要なテーマで、またそれがなければ、書き続ける必要もなかったのかもしれません。”
(『秘密の花园』集英社1998年あとがきより)
No.18

No.19

No.20

No.21

No.22

No.23

No.24

No.25

No.26

No.27

No.28

No.29

No.30
《展示品》【未発表】サラマンダー原案イラスト 原画
《制作时期》中学时代 1969~71年ごろ
《解説》
中学生のころ、投稿作「サラマンダー」以前に描いた作品のもととなったイラスト。
サラマンダーの化身の女性と王子様のラブロマンス用の表纸として描かれたものらしい。
No.31
◆サラマンダー2作目「飞べない天使」と3作目の「サラマンダー」
《展示品①》未発表「飞べない天使」トビラ 原画
《制作年》1974か75年
《展示品②》3作目の「サラマンダー」掲载誌
《掲载号》なかよし 1977年4月増刊号
《解説》
“男同士は受け入れてもらえないという思いがそうさせたのですが、はっきり言って、これは失败でした。”
(手作り册子『闇に生きる者たちへ?????』1987年「うちあけ话」より)
“この作品は高校1年の时に描いた16ページの短编のリメイクでして、その时には主人公は男の子でした。つまり、今でいうところのボーイズラブ物だったのですが、さすがにそれはできん、と言うことで、男装の美少女に変えたわけです。今はボーイズラブ真っ盛り。いい时代になったもんです。”
(『青い宇宙のルナ』文库版 讲谈社 1999年あとがきより)
No.32
◆手作り册子『闇に生きる者たちへ?????』
《展示品》『闇に生きる者たちへ?????』完成品と试作品各1部
《制作年》1987年1月
《発行》YOU SECOND あさぎり夕
《解説》
1987年に10部程度作った30ページの手作り册子には、投稿时代の「サラマンダー」(1972年)全16ページと、同作とそのリメイク作などについての详细な里话が记されている。
「闇に生きる者」とは、「サラマンダー」のシェーンやレオンハルトをはじめ、当时のメジャー少女誌では発表しにくかった悲剧的ファンタジーに登场するキャラたちのことである。
“もしもいつか私が読者のためでなく自分自身のために作品を描くことができるようになった時 もう一度シェーンとレオンハルトをよみがえらせるかもしれません。”
*2阶関连书籍コーナーで本展示用に刷った『闇に生きる者たちへ?????』のコピー册子を手に取ることが出来る
◆中央?覗き込みケース展示
リシャール?シリーズについて
《解説》
リシャールはあさぎり夕が若いころから描いていたキャラクターであり、彼女の未投稿未発表の原稿の中で、もっとも多く存在现存する男性同士の関係性を描いたシリーズものである。原稿にして270枚以上ある。
彼は弟のアンリとも母とも死别するさびしい境遇の少年で、全体に、丧失感とそれによる歪みがテーマとなっている。爱憎や确执が描かれ、人间関係が入り乱れている。その时々でカップルの相手も変わるが、いつも见守り役、ふりまわされる役のキャラがいる。相手は少年から青年へと変わっていったようだ。それぞれの话は必ずしもつながっているわけではない。习作ならではの试行错误というだけでなく、后の商业叠尝での様々なシリーズものの人间関係の交错ぶりは、当初からだったことがわかる。
また、当时もプロになってからも、设定の整合性などにはあまりこだわりが无いが、人物たちの気持ちの整合性は大切にしていたことがみてとれる。リシャール?シリーズ以外にも、バリエーション的なフランソワという少年を主人公にしたシリーズがある。
あさぎりは、自身の书きたいものについて次にように记している。
“ジャンルや表现方法は违っても、あさぎりにとってはどれも根っこは一绪。书きたいものはただ一つ。(略)「人间関係なんて、すべて、恋爱みたいなもんかもしれない。」と――…。この言叶につきるわけです。”
(『僕达の恋爱论』小学馆1994年あとがきより)
《展示品①》
封筒(「リシャール 高一 中学」の記載有) /1969~72年ごろ
《展示品②》
【未発表】无题(リシャール?シリーズ) 原画/1969~72年ごろ
《解説》
リシャール?シリーズの最も初期のもの。あさぎり夕の手によってリシャール関係のイラストや原稿が21枚分まとめて入っていた。その封筒の中の一番上にあった原画が展示品。无题で未完の10ページの作品中の1ページ目である。母と双子のアンリが登场している。
《展示品③》
【未発表】リシャール=ベルモン记 バラの幻想「新なる爱の世界」编
トビラ 原画/1973年ごろ
《解説》
制作年は絵柄より推测した。おそらく16歳ごろの作品。トビラに雾の様な点描で描かれるキスシーンが印象的である。ここでのお相手は少年ラトマンド。40ページの作品である。
《展示品④》
【未発表】无题(リシャール?シリーズ) 原画/1973年ごろ
《解説》
制作年は絵柄より推测。お相手は青年ジュリアン。17ページ、未完。
《展示品⑤》
【未発表】少年たちの神话 トビラ 原画/1974年ごろ
《解説》
ラストページの里に住所氏名などとともに「17才」の记入あり。投稿用の书き込みだろうが、実际投稿したかどうかは不明。リシャールの双子のアンリが别の名前で登场し、后に実はアンリだとわかる。16ページ。
◆厂ケース

他作家がイラストやマンガを担当している あさぎり夕作品
《展示品》惭谤.シークレットフロア?シリーズ
他作家がイラストを担当している作品例
《解説》
あさぎり夕の小説群は、その大半をあさぎり自身がイラストを担当している。あさぎりがイラストを得意とするマンガ家であったからできたことである。
多忙のためもあり、00年代中ごろよりイラストやマンガを他作家が担当することも増えた。担当するのは名だたる颜ぶれたちである。
イラストやマンガの担当が自身でないときは、その人の作风を思い浮かべながら书く。すると普段の自分には书けない新たなキャラクターやシーンが书ける、といつも喜んでいた。
Mr.シークレットフロア?シリーズは、イラストとマンガをともに剣解が描いた。小説とマンガが並行して展開し、小説版単行本が10冊、マンガ版単行本が6冊出版される大人気シリーズとなった。このシリーズ「Mr.シークレットフロア ~つがいの法則~」1話目(『BE?BOYGOLD』2018年12月号)が、あさぎりの遺作であり、2話目の執筆に取り組んでいる途中での逝去となった。
◆台付きケース

◆あさぎり夕の最初の商业叠尝作品「俺达の始まり」他、文库5册
《展示品》「僕达シリーズ(泉&由鷹シリーズ)」1~5 文庫
《解説》
「僕达シリーズ」は、あさぎり夕がプロ作家としてBL小説を書き始めた最初の作品にして長期シリーズ化した、あさぎりBLの代表作。「泉&由鷹シリーズ」「泉君シリーズ」「僕达シリーズ番外編」等から構成される。
*僕达シリーズ1~5 文庫本
1僕達の始まり 小学館パレット文庫 1994年6月20日
2僕達の熱い夏 小学館パレット文庫 1994年9月20日
以上2点の原画を1期に展示
以上1点の原画を2期に展示
以上2点の原画を3期に展示