黑料社区

◆第3期……女性と男性

 「叠贰础厂罢础搁厂」では、违う种族が交わることで物语が动き出す。しかし分かれているのは种族だけではない。同じ种族でも性别が违えば特徴も変わり、両者がかかわることで、また新たな物语が始まる。作者が女性であること、掲载誌が少年誌であることも要素としてまじりあい、獣たちのみずみずしく苛烈な恋爱が展开されてゆく。


《壁ケース展示》




●キャラ绍介&イラスト

No.01
第2期?ケース狈辞.01と同じ

No.02
第2期?ケース狈辞.02と同じ

No.03
第2期?ケース狈辞.03と同じ

No.04
ジュノ
种族:ハイイロオオカミ
 16歳メス。レゴシと同じハイイロオオカミ种の少女。性格は社交的な努力家。演剧部の役者チーム所属。入部当初はその美貌のため嫉妬から距离を置かれていたが、持ち前のエネルギッシュな社交性で信頼を胜ち取っていった。実は野心的な性格で、肉食獣の地位向上のためビースターの座を狙っている。ルイ曰く「なんでも手に入れられると思っている傲慢な女」。

《板垣巴留コメント》
 外も中も複雑なハルちゃんの他に、正統派美少女を取り入れるという意味で登場したジュノちゃんです。美人な子は色々なものに恵まれてきたから、ひねった所もなく、性格も良いんじゃないかな? と思いながら描き進めてたら、なんだかジュノのことを楽しく描けなくなってきたので、31話で思い切って動かしたら俄然好きになっちゃいました。
(『叠贰础厂罢础搁厂』4巻より)




『叠贰础厂罢础搁厂』6巻カバー
2017年12月15日、秋田书店

No.05
第1期?ケース狈辞.05と同じ

No.06
エルス
种族:アンゴラヤギ
 17歳メス。演剧部のダンスチーム所属。ほがらかな性格で、周囲の様子によく気が付く。肉食獣とも分け隔てなく接しており、第1话でレゴシの心优しい性格を知ってからはレゴシとも打ち解ける。特にトラのビルとは仲が良く、新歓公演を前にしたビルの紧张を见抜くなど気にかけている様子が见られた。アルパカのテムの片思いの相手であること、ビルの「エルスがメストラだったら俺マジ抱けるわー」発言など、ひそかにモテる女性である。

动物を描く理由
《板垣巴留コメント》
 もともと动物だけの世界を描いていました。人间と动物の世界は游びで描いていたりもしたんですけど、みんなやってるしなぁという気持ちもあり、「叠贰础厂罢础搁厂」では完全に动物だけの世界にしました。
 その动物固有の造形の良さは反映したいと思っています。オオカミの猫背や鼻の长さとか、ライオンは颜が角ばってて鼻が横长なところとかがいいなぁとか。そういうキャラとして良いぞ、という部分は取り入れています。动物の体の良さは后ろ足が逆関节なところだと思ってたんですけど、あれを取り入れて描いてみたらどうしても気持ち悪くなってしまって。なので骨格は人间ですね。后ろ足かっこいいんですけどね。




第78话「无农薬の果树园」より
『週刊少年チャンピオン』2018年20号

No.07
アオバ
种族:ハクトウワシ
 17歳オス。演剧部の役者チーム所属。穏やかな性格で、调和を重んじる。おなじ大型肉食獣としてレゴシやトラのビルと仲が良い。长く付き合っている彼女がいるおかげで恋爱相谈はお手のものである。アオバは、里市は大人になれば必ず利用する场所であるとし、ビルとともに肉を食べようとするが、草食の友人を思い出してためらう様子が见られた。彼もまた共存と食欲の狭间に思い悩んでいる。一人暮らしを始めたレゴシのもとを访れるなど交流は続いている。

第59话「信徒の生き甲斐」より
『週刊少年チャンピオン』2017年51号

No.08
カラーについて
《板垣巴留コメント》
 カラーは、基本は水彩ですね。固形で、パレットとセットになっている奴です。大学の顷からいまだに使い続けてて、减ったら买い替えられるのに「减らないなぁ」と思いながら使ってます。なんとなく使ってる絵具なんですけど、付き合いが长くなると特徴とか良さが分かってきますね。コピックも併用したりしてます。色のノリが全然违うのでこれもいいですね。最近はアクリル絵具もよく使ってます。水彩みたいにぼかしでごまかしが効かないし意外と技术が必要です。その分、かすれや涂り残しが映えるので、みんなが「お」って见てくれるような絵になるんですよね。アクリルは絵具の重なって盛り上がってるのが分かるのでより原画感があります。やっぱり原画はいいですね。
色は青をめっちゃ使いますね。透明色の青が、やっぱり汎用性が高いです。カラーの纸はマルマンのスケッチブックを使ってます。特别な纸だと気负い过ぎてしまうので。手に入りやすいからというのもあります。

『补苍补苍』描き下しイラスト
『补苍补苍』2018年15?22日合併号




●第3期テーマ:女性と男性

No.09
ハルとレゴシ
 両者ともまだお互いの名前も知らない顷。ハルは、庭园の世话を手伝ってくれたお礼としてレゴシに身体をゆだねようとするが、レゴシはパニックになりながらハルの背にシーツを掛けて立ち去る。ハルが男女関係に手惯れた雰囲気であるなど、一般的なヒロイン像とはかけ离れたキャラクターであることが示されるシーン。

レゴシが惹かれた理由
《板垣巴留コメント》
 13巻にあるように、レゴシの特殊な性癖が、ハルに惹かれた理由ですね。ちっちゃい草食獣を性的な目で见てしまう生まれ持った性癖です。性癖っていうのは、自分ではどうにも変えられない厄介なものだと私は思っていて、それがハルによって目覚めさせられた、という感じです。目覚めさせてくれた相手がハルで良かったと思います。もしハルが真挚に向き合ってくれる子でなければ、もっと凄惨な事件に発展していたかもしれないので。




第9话「风立ちぬ(ただし见えない所で)」より
『週刊少年チャンピオン』2016年49号

No.10
ハルとルイ
 レゴシとハルの再会の后日、同じ部屋で会うルイとハル。ルイとハルの出会いは2年前にさかのぼり、その顷から関係がある。ハルはルイを肉体だけの関係ではなく、恋爱対象として考えていた。しかしどうやら両者の関係は表向きには秘されているようだ。「叠贰础厂罢础搁厂」の世界では、异种族间の恋爱は学生のうちのお游び程度とするのが常识とされている。ルイはすでに决められた婚约者がおり、ハルともいずれ终わる関係と考えている様子が见られた。

第17话「远吠えのイヤイヤ症候群」より
『週刊少年チャンピオン』2017年7号

No.11
ジュノとレゴシ
 演剧部でレゴシがジュノのダンスを指导するシーン。「叠贰础厂罢础搁厂」の世界では同种族による恋爱?结婚が良いものと考えられている。ジュノは、レゴシに助けられたことをきっかけに同种族のレゴシを强く意识している。谁が见ても美形と言われるジュノと触れ合っても、レゴシはあくまでただの后辈として见ているようだ。レゴシはこののちも、ジュノと自分ごときには縁がないと思い込み、ジュノの好意に気付いていなかった。レゴシの容姿は、演剧部仲间から素材は悪くないという评価を受けたり、ジュノからは大変なイケメンに见えているなど、好みはあれど整った容姿であるようだ。

第27话「ジャストフィットを见てよ」より
『週刊少年チャンピオン』2017年17号

No.12
ハルとジュノ
 ハルとジュノが出会うシーン。シシ组による诱拐ののち、レゴシとハルは亲密になってゆくが、それに感づいたジュノが牵制する场面である。レゴシへの好意を隠そうとしないジュノに対し、レゴシとの関係をつかみかねるハルははぐらかすような答えを返すのだった。
 ジュノはハルを见て「ちんちくりん」という感想をもち、ハルはジュノに対し肉食獣の强さ、美しさを感じとる。お互いに自分と真逆の存在と认识しているようだ。

第45话「睫毛の奥のブラックホール」より
『週刊少年チャンピオン』2017年36?37合併号

No.13
恋の障害(被食者の本能)
 屋上庭园での情事(未遂)ののち、レゴシがハルの名前を闻こうとして一绪に昼食をとるシーン。
 レゴシの牙がのぞくたびに反射的に逃げ出そうとしてしまうハルだが、にこやかな表情のままそれを押し杀している様子が见られる。

レゴシが惹かれた理由
《板垣巴留コメント》
 こういうシーンは、この世界で肉食と草食が向き合って食事するときによくあることなんです。なので本当はあまり向き合って食事はしないんですね。ここで不快感をあらわにしなかったのは、ハルだからこその优しさですね。后ろに描いた本能の影は、见开きにするなら见ごたえのあるように描こうと思いました。イメージとして、大势の声が闻こえているという感覚を想像したんですが、草食獣はグループで过ごすことが多いのが表れているのかもしれません。




第19话「ガウガウ君の名は」より
『週刊少年チャンピオン』2017年9号

No.14
恋の障害(捕食者の本能)
 ゴウヒンのカウンセリングのシーン。ハルと仲良くなりたい、ハルのことをもっと知りたいというレゴシの感情は、无意识下の狩猟本能がカモフラージュした姿だと指摘している。これまで诊察した肉食獣の中には类似のケースがあったとゴウヒンは语る。ハルに対する感情が捕食対象への兴味なのか、ただちっちゃくて可爱いものが好きなのか、この时点ではレゴシ自身にもわからなかった。シシ组からハルを救い出したあと、レゴシは「自分の获物を夺われた気持ちになった」と语っているが、そのあとには、ハルのことが好きだから食べたりしない、とも発言している。

第25话「视界は渗むし全部嫌だ」より
『週刊少年チャンピオン』2017年15号

No.15
恋するオオカミ
 ゴウヒンのカウンセリングを受けて、ハルから距离を置こうと决心するレゴシ。しかしハルの笑颜がルイに向けられていることに気付いた瞬间、レゴシは自身の恋心を自覚する。この前ページでは、心の中で「ハル」と呼び捨てにしている様子が印象的である。彼の一人称が常に「俺」であるなど、本质的に狞猛さを秘めていることがうかがえる。

《板垣巴留コメント》
 イヌ科の嫉妬深い部分が描きたいなと思ったところです。
 「叠贰础厂罢础搁厂」の世界では、イヌ科がとても嫉妬深い、独占欲が强い种族として描かれていて、レゴシがハルを好きだと自覚するのは、やきもちを妬いたときにしよう、と决めていました。嫉妬というのは、私にとってとても苦しい负の感情で、激しいものだと思います。なので、嫉妬にかられたレゴシはこんなだれか杀したみたいな表情になってます。苦しさ怒り悲しみが全部高まって、絵具を握りつぶしてしまって。8巻のカバー里にあるみたいに、イヌってそういう嫉妬深いイメージがありますね。なでるのをやめるとすごい怒るとか。そういうのもイヌの可爱いところだと思います。




第28话「その感情、极彩色」より
『週刊少年チャンピオン』2017年18号

No.16
抱くか、食べるか
 ハルをシシ组から救出した直后、ラブホテルでのシーン。かつての出会いの瞬间と同じ体势になりながら、ハルを伤つけた獣が自分であることをレゴシは告白する。ハルはそれに気づいていたと答え、どのような関係になるか、レゴシの选択に身をゆだねようとする。続くページでは、「遗伝子からの叱责」と表现された、あらたな障壁が両者の间にあることが示される。

第44话「温い汗に固められ」より
『週刊少年チャンピオン』2017年35号

No.17
ねぇ
 陨石祭での告白ののち、学园内の目につきにくい场所で待ち合わせるレゴシとハル。ウサギとオオカミが无断外泊で朝帰りした、という事実はスキャンダルとして学园に広まっており、好奇の目を避けるための密会である。告白をして両者の距离は近づいたものの、その関係はまだ「ねぇ」である。恋爱をしているものの一线を越えたわけでもなく、一般的ではない组み合わせである彼らの関係は言叶で言いあらわせないようだ。
レゴシの頬をびろーんと伸ばすハルと、されるがままのレゴシの姿は、非常にかわいらしい。

第50话「炎のオセロ」より
『週刊少年チャンピオン』2017年42号

No.18
レゴシの原动力
 学園から姿を消したルイを心配するハルに対し、力強く答えるレゴシ。ハルに対する恋心が大きくなるのに比例するかのように、レゴシは守る対象を大きくしてきた。たとえば、このシーンの以前から、ハルの安全のために学園を平和にしようと考え、学園の警備員?ロクメからの依頼もあり、レゴシはアルパカ食殺事件の犯人を捜すようになっていた。レゴシの原动力は草食獣を守らなければならないという感情で、必要となった場面では大きな力を発揮する。
 ハルにとっては、このシーンのように、それに助けられる场面もあるが、さみしく感じることもあるようだ。
 右下のコマ、蛾が飞び立っているのは、成长したレゴシが自身の决意を行动に移し始めたことを暗示しているのかもしれない。

第83话「ただの抱拥は布団にでも託します」より
『週刊少年チャンピオン』2018年26号

No.19
ハルの恋爱観
 ウサギのミズチからのいじめに抗うハル。いじめの原因はミズチの恋人がハルを相手に浮気したことだった。いじめに対しては、状况を悪化させないために无抵抗でいることもあるハルだが、大型动物相手にも物怖じしないことを考えると本来は、この场面のようにはっきり主张する性格である。
 ここはハルの恋爱観が表れているシーンでもある。幼い見た目に反して大人びた、恋愛慣れした女性であることがわかる。

第18话「獣の盆、彼らが夏」より
『週刊少年チャンピオン』2017年8号

No.20
対等な関係
 ハルが死の危机を前に回想するシーン。彼女が多くの男性と関係をもってきた理由が明かされる。大人になりつつあった感性と、自身の幼い见た目のギャップ。それを埋めようと模索した结果である。弱者と扱われたくないが、身体的に劣ってしまう。精神と肉体のギャップに苦しんだ末に、それでも対等でいようとする姿には、ハルの夸り高さが垣间见える。

第38话「罫线に白い毛这わせて」より
『週刊少年チャンピオン』2017年29号

No.21
ジュノの宣言
 演剧部の中で存在感を示し始めたジュノが、ルイに対し宣言するシーン。床ドンである。ちなみにジュノは、ハルに対して壁ドンをしたことがある。ジュノは空気を読める気配り上手だが、ふとした拍子に强引さを见せることがある。このシーンでは普段は口にしない、ビースターになることとレゴシを手に入れること、という野望をルイに明かしている。これ以降ルイとジュノは秘密を共有する関係になる。

《板垣巴留コメント》
 外も中も複雑なハルちゃんの他に、正統派美少女を取り入れるという意味で登場したジュノちゃんです。美人な子は色々なものに恵まれてきたから、ひねった所もなく、性格も良いんじゃないかな? と思いながら描き進めてたら、なんだかジュノのことを楽しく描けなくなってきたので、31話で思い切って動かしたら俄然好きになっちゃいました。
(『叠贰础厂罢础搁厂』4巻より)




第31话「野望はショッキングピンク」より
『週刊少年チャンピオン』2017年8号

No.22
お互いさらけ出し合う仲
 ジュノに対し、ルイが心の内を见せるシーン。诱拐されたハルを救出しようと、危険に飞び込もうとするレゴシをルイは止めきれず、无力感に袭われる。ルイは尊大な态度や皮肉を言うシーンが多く、このように弱みを自らさらけ出す姿は珍しい。ジュノはその姿が印象に残ったようだ。のちの彼らのキスシーンにおける、他の谁にも见せないような面をお互いさらけ出し合ってきた仲、という言叶につながる。

《板垣巴留コメント》
 この顷は、まだ恋爱関係になるとは考えていませんでした。ただ、ジュノとルイの関係が面白いとジュノが押し倒したシーンの时から思っていました。ジュノが肉食獣的に攻め攻めで来るので、ルイはつい戸惑って素の表情が出ちゃうんですよね。肉食草食の男女の组み合わせはいろいろあるんですけど、肉食獣の女性と草食獣の男性のパターンも面白いなと。




第37话「雨云の诱导」より
『週刊少年チャンピオン』2017年28号

No.23
ダンス
 学园を去ったルイをジュノが探し出したシーン。学园を去り、里社会に生きることを决めたルイ。ビースターという象徴になるのではなく、里社会の中で肉食獣と対等に向き合うことをルイは求めたのである。その境遇を思い涙するジュノ。ルイのために涙を流す姿には、彼女の诚実さがみてとれる。

ダンスについて
光源について
《板垣巴留コメント》
 洋画だと、男女が仲直りしたり相手の机嫌を取る时に突然ダンスしたりするんですよね。日本には无い文化だと思うんですけど、私は好きですね。音楽をかけてダンスしていい雰囲気になるっていうのはたしかにあるだろうな、と思うんですけど、日本人だと絶対无理だなとも思ってしまって。そういう手法を描いてみました。「叠贰础厂罢础搁厂」はキャラが动物だし、无国籍な分多少バタ臭い演出も映えるのが强みです。ルイはこういうシーンが似合う男ですよね。

 どのシーンでも、必ず光源を决めて演出効果に取り入れています。この场面だと前のページで上からあててしまうと次のページが引き立たなくなってしまう、など见开き単位で光の当て方も考えています。(左の原画の)キャラクターがシルエットになってるところは、つげ义春さんのマンガの影响ですね。カッコよくて好きです。「叠贰础厂罢础搁厂」でもシルエットで见せるのはよくやりますね。




第57话「ただ心臓が寄り添った」より
『週刊少年チャンピオン』2017年49号

No.24
キス
 アルパカ食杀事件解决のあと、卒业式のシーン。ルイとジュノはお互いに、いつしか意识し合う関係になっていた。またもやジュノの大胆な行动が表れたシーンである。しかし、この直后ルイはあえて突き放すような言叶を投げかける。その真意は、肉食獣と草食獣という异种族が心を交わすことの困难さをルイは身に染みて感じていたがゆえ、もしくは突然のキスに动揺したからかもしれない。

《板垣巴留コメント》
 このキスシーンは、前の担当さんは笑ってました(笑)。「こんな长いキスシーンある?」みたいな感じで。私としては重要なシーンで気合い入れて描いたんですけど笑われちゃいました。ロマンチックでいいじゃないですか!




第105话「たべられる运命の男」より
『週刊少年チャンピオン』2018年50号




●板垣巴留おすすめ作品

No.25
映画について
《板垣巴留コメント》
 「ターザン」も実は人间関係の话と捉えています。一人の少年を中心に様々な相関関係が出来上がってて「めっちゃ见事な作品だ!」って思います。音楽もここぞという时にバーンと入ってくるし、作品そのものの気持ちよさも含めて好きですね。
 「ボーダーライン」はベニチオ?デル?トロ主演の映画で、すごい好きな俳优さんなんです。内容はメキシコの麻薬カルテルとアメリカの司法机関との戦いを描いたクライムサスペンスです。ベニチオ演じる主人公がヒロインの涙を乱暴にぬぐうシーンがあるんですけど、そのときの事情も相まってとても魅力的です。私自身そういう仕草が记忆に残っていて、映画ってそういうものだと思うので。マンガでも同じように仕草で记忆に残ってほしいと思って描いているシーンがあります。

《板垣巴留コメント》
 メディアを问わず、観た后に脳が覚醒するような感覚があるのがヒューマンドラマですね。「ブラックスワン」(映画)や「白い巨塔」(テレビドラマ)は、しがらみとか思考の向こう侧、人间の果ての姿が観られる作品だと思います。私は人间の本当のことを知りたいっていう欲求を作品に求めるので、こういうチョイスになりますね。
 影响を受けた作品はいろいろあります。黒泽明の「生きる」(映画)や、ディズニーの「ターザン」(映画)、洋画の「ボーダーライン」(映画)ですね。あらためて考えてみるとジャンルはまちまちですね。

映画(顿痴顿):
「生きる」(黒泽明、1952年)
「ターザン」(ケヴィン?リマ、クリス?バック、1999年)
「ボーダーライン」(ドゥニ?ヴィルヌーヴ、2016年日本公开)

マンガ(书籍):
「セキララ结婚生活」(けらえいこ、1991年)
「あたしンち」(けらえいこ、1995年)
「だれも寝てはならぬ」(サラ?イネス、2003年)

バンド?デシネ(书籍):
「塩素の味」(バスティアン?ヴィヴェス、2013年邦訳)
「ブラックサッド 黒猫探偵」(フアンホ?ガルニド[画]、フアン?ディアス?カナレス[作]、2014年邦訳)




●ショートストーリー&「BEAST COMPLEX」

No.26
幕间(まくあい)
 「叠贰础厂罢础搁厂」では时折、本编と直接関係のない短编が差し挟まれる。「叠贰础厂罢础搁厂」の中でも、レゴシ以外のキャラクターがメインになる。幕间の日常的なエピソードだが、个々が抱える种族にまつわる悩みが描かれており、「叠贰础厂罢础搁厂」の世界をより一层広げている。

《板垣巴留コメント》
 ストリッパーを描いたのは、ルイがシシ组のボスとして里市の住人にとってある种の英雄になっているということを描きたかったからです。ルイの存在をありがたく思うのは、とくに里市にいる草食獣だろうということでストリッパーを描きました。
 オカピを选んだのは、オカピが脱いだら楽しいだろうなと。叁大珍獣の一つに数えられてて、脚だけ縞模様が入ってて不思议な感じなんですよね。この种族がストリップして模様を见せてたら、絵的にも良さそうだなと考えました。




第64话「踊り子にトウシューズはない」より
『週刊少年チャンピオン』2018年6号

No.27
「踊り子にトウシューズはない」
 里市のストリッパー?コスモ(种族:オカピ)のエピソード。彼女は弱い草食獣だがショーの间は肉食獣の上に君临する、自分の强みを生かした夸り高い女性である。里市で遭遇したルイを、若い草食獣の物见游山と误解して语気を荒くした。

《板垣巴留コメント》
 ストリッパーを描くと决めてから、実际に剧场に観に行ったんですよ。当时の担当さんにネームを伝えたら、その场で「今から観に行こう」って言われて。结构たくさんお客さんが入っていましたけど、踊り子さんも近くで见られました。ダンスやショーなど、すごい楽しかったです。同时に「この踊り子さんはなぜこの仕事を选んだんだろう」と个人の経纬が気になってしまって。性を扱うお仕事の女性には、虐げられながらやっていてほしくないという気持ちがあって。完全に第叁者的なエゴですけど椎名林檎さんの「歌舞伎町の女王」の歌词みたいなイメージで描いた回です。




第64话「踊り子にトウシューズはない」より
『週刊少年チャンピオン』2018年6号

No.28
「文明のゆりかご」
 チーターのシイラの学园生活のエピソード。シイラは演剧部でダンスチームのリーダーとして活跃している。彼女がぎこちない笑颜を浮かべる理由は、厂狈厂にあった。厂狈厂にアップするために、うわべだけ仲が良さそうな写真を撮って、すぐに离れてしまう関係に辟易していたのだ。

《板垣巴留コメント》
 このお话を描いたときは、たしか「インスタ映え」という言叶が広まって、流行语大赏になったりした顷だったと思います。その顷はとくに厂狈厂に対して怒り狂っていて、アシスタントさんに何度も愚痴っていて(笑)。こんなふうなのは良くないって気持ちを描きました。出来上がったら思ったより、女の子同士が仲良くするいい话になってました。不思议ですね。




第70话「文明のゆりかご」より
『週刊少年チャンピオン』2018年12号

No.29

第70话「文明のゆりかご」より
『週刊少年チャンピオン』2018年12号

No.30
个性を知ること
 动物という设定が描かれたシーンである。シイラは体毛に模様があるので、柄物の服が似合わない。ヒツジのピーチは体毛のせいで静电気が起きやすい服は着られない。それぞれのオシャレ事情が垣间见える。
 ピーチがシイラの裾をつかむ様子は、草食獣がなにかと身を寄せ合おうとする习性の表れともとれる。なんにせよピーチが心を寄せている証だろう。直后のシーンで、シイラが记念に写真とろうよ、と体を寄せていく仕草もネコ科らしさが表れていて可爱らしい。肉食獣と草食獣という间柄からお互いの个性を知って、シイラとピーチという个と个の仲になっていく様子が描かれている。
シイラの、见开きページの笑颜と1ページ目の笑颜の印象が全く违うのが面白い。

第70话「文明のゆりかご」より
『週刊少年チャンピオン』2018年12号

No.31

第70话「文明のゆりかご」より
『週刊少年チャンピオン』2018年12号




●雑誌など

No.32
第1期?ケース狈辞.32と同じ




◆「叠贰础厂罢础搁厂(ビースターズ)」

動物のみが存在する世界で、主人公のハイイロオオカミ?レゴシの青春と葛藤を描いた“動物版ヒューマンドラマ”。発表から間もなく支持を集め、2017年に『このマンガがすごい!2018』(宝島社)オトコ編 第2位を獲得。2018年に第21回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞、 第11回マンガ大賞大賞、第22回手塚治虫文化賞新生賞、第42回講談社漫画賞少年部門を受賞。『週刊少年チャンピオン』誌上にてアニメ化が発表された。

肉食獣と草食獣が共存する现代社会を舞台に、主人公のレゴシの成长を描く作品。捕食者であるレゴシと被食者であるウサギのハルの、あまりにも障害の大きい恋爱を轴に、演剧公演、里社会との邂逅、学园に潜む闇、出生の秘密、学园外の社会への旅立ちなど様々な経験から、レゴシは自分の生き方や他种族とのかかわり方を见出していく。


《壁面展示》

マンガ家になるまで
《板垣巴留コメント》
 美大の映像学科に进んだのは、画家は无いなぁ、と思って(笑)。イラストレーターはトレンドを掴む感覚が必要に思えて、そんなアンテナは无いし……。お话を作ることが好きだったのでそれなら映像学科がいいかなと。映像学科は入试に絵の実技はなくて、一つの言叶を与えられてお话を作るというのが试験でした。だから美大生だから全员絵が描けるというわけではないんですね。
 私の场合は、高校は美术学科に通っていて、絵はその顷に学びました。そこでは絵が上手い子が一番伟い、絵の上手さがそのままヒエラルキーになっていたので、必死で画力を培いました。生き残るために。

壁01

《板垣巴留コメント》
 影が体にかかって立体的になっているのが好きで、映画でもそういう演出のシーンが好きなので描いてみました。人目を盗んで一绪にどこかに隠れてるっていうイメージですね。このイラストは中盘までかなり苦戦した覚えがあります。描いていても「影に见えなくないか?」と思ったり、やっぱり写真ぽい表现は絵だと难しいのですね。二刀流みたいな感じでドライヤーをあてながら涂りながら、あくせくして描いていました。




第59话「信徒の生き甲斐」より
『週刊少年チャンピオン』2017年51号

壁02

第47话「潮风だけが知っている」より
『週刊少年チャンピオン』2017年39号

壁03
《板垣巴留コメント》
 この场面はレゴシが外で働く男性、ハルが家事をする女性という感じになりますが、それぞれの立场があってやっぱりなかなか主张がかみ合わないものだと思います。お互いのためを思っていてもどうしても。私は女性侧なので「构って构って」と言うタイプですね。「お前のためだから」とか言ってそばにいてくれないのは、言い訳に闻こえてしまいます。直接的に自分に降りかかる喜びがないと女は纳得しないよな、と思って描きました。ハルがめんどくさいと読者に思われても、これがハルの女っぽさというか、社会はこうなってるんじゃないかなと。
 週刊誌のマンガ连载は、ほかの仕事と比べても割と忙しいほうだと思うのですが、私は脳のキャパシティが多いのか、どんなに忙しくてもさみしいときはさみしいと感じてしまいます。男性は忙しいときに仕事に集中できるように思えて、うらやましいです。忙しいさなかにさみしさを感じると、「私も女だな……」という败北感がありますね。
 このページはコピーじゃなくて、両方ともちゃんと描いているというのが実はすごいところですね。アシスタントさんにトレス台を使って描いてもらったんです。コピーするのが嫌いなのでアシスタントさんに「お愿いします」と頼み込みました。

第69話「糸電話の回線 乱れております」より
『週刊少年チャンピオン』2018年11号

壁04
可爱い
 ジュノとハルが屋上庭园で会话するシーン。実は友人の少ないハルとしては同性とのやりとりはとても楽しいものだったようだ。ほほえましいスキンシップの场面であると同时に、“可爱さ”のパラメータによって肉食獣は草食獣に胜てないという、种族の差が描かれたシーンでもある。
 このシーンは、少女マンガ流の复层的な変形コマ、および雰囲気を表现したスクリーントーンが使われている。ほかのシーンでも时折みられるが、少年マンガを意识しつつ少女マンガ的な表现が自然に取り入れられている点は「叠贰础厂罢础搁厂」の特徴のひとつといえる。

《板垣巴留コメント》
 男性同士、女性同士の恋爱を描こうと思ったことはありませんが、浓密な関係を描こうとすると、同性でも异性でも、どうしても感情が恋爱に近くなる気がします。今のところはそうと意识しては描いていないですが、いろいろなジャンルに挑戦したい気持ちもあるので、意识して同性爱ものを描くのも面白いかもしれないですね。

第79话「ランジェリーの密会」より
『週刊少年チャンピオン』2018年21号




《覗き込みケース展示》

※展示品情报?解説?コメントは第1期?《覗き込みケース展示》と同じ




《その他》

台、映像展示
第1期?台、映像展示と同じ