黑料社区



第3期:2017年11月23日(木?祝) - 12月11日(月)



ー 現代チェコ?コミックを代表する4人の作家たち ー
このコーナーでは、现代チェコ?コミックを代表する作家たちを特集し绍介した。会期ごとにひとりの作家をピックアップし、壁で原画展示を行い、中央の覗き込みケースでは残り3人の现代作家を书籍とともに绍介した。

■ ルチエ?ロモヴァー Lucie Lomová

 现代チェコ?コミック界の贵妇人、ルチエ?ロモヴァー(1964-)は最初のコミックスである若い二匹のネズミを主人公とした単発の作品「アンチャとペピーク、尾行する」を1980年代末に出版した。この美しい线と素晴らしい彩色で描かれ、はっきりした世界観とミステリ的なひねりのあるプロットを持ったファニーアニマルコミックスはこの一作では终わらず、ロモヴァーはこのシリーズをその后10年间にわたり61话発表している。「アンチャとペピーク」はおそらく1990年代もっとも爱された児童向けコミックスのひとつであり、现在も幅広く読まれている(新しい全5巻のコレクテッド?エディションが近年刊行されている)。この作品は人形剧化され、最近ではテレビ放映もされた7本の短编アニメーションにもなっている。
 2000年以降、ロモヴァーは创作活动の主轴を大人向けの作品に移し、こちらの分野でも児童コミックスの分野同様、急速にその名声を高めている。彼女のグラフィックノベル作品「アナは飞びたかった」、「野生児たち」、「标的」はまずフランスで、おそらくもっとも着名なコミックス研究者のひとりであるティエリ?グルンステンが设立した出版社?ドゥラン2から出版された。繊细に考え抜かれたルチエ?ロモヴァーのストーリー(彼女は作画だけでなく、自身で脚本も手掛ける作家である)は现代チェコ?コミックの作品群の中でも最良のものであり、チェコとフランスで多くの赏を获得し、ドイツ语とポーランド语にも翻訳されている。




アンチャとペピーク?氷の妖精 Anča a Pepík: Ledové víly (1994)

 おそらくチェコでもっとも爱されているファニーアニマルコミックス。オリジナルは1990年代に出版された。「アンチャとペピーク」は雑誌『チティジリーステック』に10年间(1991~2000年)にわたって掲载された。魔法の世界“耳の村”に住む拟人化されたネズミたちを主人公としたこの作品は人形剧になり最近ではテレビアニメーション化された。展示の原画では、アンチャ(ピンクのコート)とペピーク(緑のズボン)が梦のアイスクリームの家に出会っている。ツララはアイスキャンディー!


Anča a Pepík :Ledové víly
アンチャとペピーク?氷の妖精
Lucie Lomová (s. and k.)
ルチエ?ロモヴァー(作?画)
1994




アナは飞びたかった Anna chce skočit (2006)

 「アナは飞びたかった」はルチエ?ロモヴァーの大人向けコミックス分野へのはじめての挑戦である。それはどれほどの「挑戦」だったろう! この80ページ、ハードカバーのアルバムフォーマットのグラフィックノベル ―最初はドゥラン2社から出版された― は精緻に構築されたストーリーと三層に分けられたレイヤーで語られる、何気ない日常の中の素晴らしい生活を描いた作品である。このグラフィックノベルの4巻の発表で、ルチエ?ロモヴァーは彼女にとって最初の、そしてもちろん最後ではない賞を獲得している。まずはチェコのコミック賞である、「ミュリエル賞」のチェコ?コミック年間最優秀賞部門、次に「金のリボン賞特別賞」である。

「ルチエ?ロモヴァーの典型的なコミックス?アート?スタイル」を定义することはむずかしい。なぜなら彼女は物语のために自分の语りかたを変えることを恐れない作家であるからだ。ここでは、物语は共产主义时代のチェコスロヴァキアに戻り― そのことは画面が铅笔画になったことで示される ―当时违法だったスロヴァキア経由(描かれている城はそこが首都ブラチスラヴァであることを示すものだ)での西侧への移住の试みが描かれている。このロモヴァーの最初のグラフィックノベルはよく调査され、丹念に描き出されたディティールと鋭い観察力に基づく过去と现在の日常生活についての意见で満ちている。



Anna chce skočit
アナは飞びたかった
Lucie Lomová (s. and k.)
ルチエ?ロモヴァー(作?画)
2006




野生児たち Divoši (2011)

 「野生児たち」はおそらく彼女の今までの作品の中でもっとも野心的な作品だろう。この作品でロモヴァーは20世纪初头に活动したチェコの探検家、旅行家、植物学者そして民俗学者であるアルベルト?ヴォイチェフ?フリッチの自伝的なエッセイをコミックス化している。1908年、南アメリカへの旅から(当时はまだオーストリア=ハンガリー帝国の一部だった)チェコに帰还したフリッチは、ネイティブ?アメリカンの部族チャマココ族のチェルヴイシュを伴っていた。この物语のはじまりかたは文化的ギャップをユーモラスに描くための格好の素材になっている ―たとえばこのシーンではチェルヴイシュは警察官やほかの役人たちのような公権力の存在が理解できず、彼らを邪悪な魔法使いだと解釈し、その自分の状况への理解に従って行动している。しかし、その行动はヨーロッパ人の视点からすると犯罪行為なのだ。

 チェルヴイシュにとってヨーロッパでの経験は彼の人生を変えてしまうようなものだった。だが、それはフリッチにとっても同様の意味を持っていた。彼らふたりはともにこの作品のタイトルである「野生児たち」であり、ともに法の定める适切な社会の外侧に生きている。この「ミュリエル赏」の二部门(年间ベスト?チェコ?コミック部门とベストライター部门)を受赏したグラフィックノベルは精巧でうまく描かれたさまざまな他者性、人间的なつながりの丧失、独立不羈の精神といったものに関する思索として読むことができる。このシーンでは病気による幻覚が描かれており、ここではおどろおどろしいチャマココ族の呪文とヨーロッパ美术のモチーフ(最下段左のコマに描かれたゴッホの「星月夜」からのそれはすぐにわかるだろう)が组み合わされている。そこではチャマココ族の民族的アイデンティティとヨーロッパからの植民地的影响が混じりあっている。はたしてどちらが胜利するのだろうか?



Divoši
野生児たち
Lucie Lomová (s. and k.)
ルチエ?ロモヴァー(作?画)
2011




贵重なチェコの童话 Zlaté české pohádky (2008)

「贵重なチェコの童话」でロモヴァーは五编のよく知られたチェコのおとぎ话をコミック化している。叁つ首竜との决闘は、英雄的な骑士やお姫様、美女や姫君の救出剧と同様にチェコのおとぎ话における一般的なモチーフだ。ロモヴァーにとって本书は再び年少読者を対象にしたものだが、今回彼女は海外の読者も视野に入れている。本书は(日本语を含む)9か国语で出版されたため、物语は文化の违いを越えて普遍的に理解されるようアレンジされている。


Zlaté české pohádky
贵重なチェコの童话
Lucie Lomová (s. and k.)
ルチエ?ロモヴァー(作?画)
2008




↑中央覗き込みケースのようす。




■ チェコ?コミック、1945-2000年
  ─ イデオロギーと監視下のチェコ?コミック ─

 第二次世界大戦后、しばらくのあいだチェコスロヴァキアでコミックスはブームになり、そのまま戦前の伝统が継承されていくかに见えた。だが、1948年2月の共产党によるクーデターののち、新体制の推进者たちはソビエト连邦のパターンを踏袭し、コミックスに「アメリカの邪悪な大众コントロール装置」というレッテルを贴った。その结果、ほぼすべてのポピュラーなコミックストリップが出版禁止になり、何人かのコミックスアーティストは海外へと移住し、残ったアーティストたちは公共空间から缔め出され、何人かはソビエト风の新しいアートスタイルで描くようになった。
 1950年代はじめまで存在を许された、戦前のコミックスキャラクターは「ありのフェルダ」だけだった。それは作者であるオンドジェイ?セコラ(1899-1967)が、フェルダの物语におけるイデオロギー的な立场を大きく変えたためだった。以前はいたずらものの个人主义者だったフェルダは社会主义の推进者へと変身した。结局のところコミックスのような视覚的な物语様式は、この新しい社会にはなじまないと当局は结论付けた。この时期、コミックスは少数の児童向け雑誌でのみ残っていた。そうした场所でも、アメリカンコミックス特有の手法と考えられていた吹き出しや感嘆词の多用は避けられた。
 1956年初めには政治的、文化的状况の厳格さは少しずつゆるみはじめた。そして再び若者やその他の年齢层向けの雑誌にコミックスが掲载されはじめた。この时代の特徴は、検閲の基準が曖昧だったことだ。そのため雑誌や新闻の编集者たちは段阶的にことを进めた。たとえば一、二个のフキダシを纷れ込ませ、それが通れば、次にはフキダシを増やした。あるいはソビエトの児童文学や冒険小説、厂贵小説などからコミカライズした。「思想的に正しい」作家の作品をコミックス化すれば、出版を禁止されにくいからだ。
 1960年代の政治的紧张缓和によって、いくらかの西洋コミックスが流入し、1948年以前に活跃していたチェコのコミックスヒーローたちが戻った。特笔すべきは戦前の大人気作「リフレー?シーペ」の復刊である。
 この时期のもっとも杰出したチェコのコミックスアーティストは、カーヤ?サウデック(1935-2015)
である。1960年代末には政治状况も缓和され、セクシーな女性が登场する彼の大人向けコミックス作品が公式な出版を许されるほどだった。だが、以前ほど厳しくない当时の検閲にとってさえ、彼のコミックスは「アメリカ风」过ぎたため、彼の作品は出版禁止された。にもかかわらず、サウデックは长编「ムリエルと天使たち」の创作をはじめた。この作品を完成させる前の1968年8月、チェコスロヴァキアはワルシャワ条约机构军によって占领される。ムリエルは二部作で合计200ページを超える大作となったが、クリエイターたちの様々な努力にもかかわらず、1989年の民主化までチェコスロヴァキアでの出版が许されることはなかった。
 1960年代后半のもう一つの重大な出来事は、児童向け雑誌『チティジリーステック』(四つ叶のクローバーの意)の创刊である。1970年代初头、政治情势は厳しくなっていたが、この雑誌は低年齢の児童向けという性格から(四つ叶のクローバーの幸运もあって)生き延びることが出来た。この雑誌のタイトルにもなっている作品「チティジリーステック」は4匹の动物のなかよしグループ ―犬の女の子と猫の男の子、子ブタ、子ウサギ― を描いたものである。现在ではこのシリーズはチェコ?コミック史上最长シリーズとなり、1000话以上続いている。
 1968年の侵攻后、政治体制は完全に1950年代の状况に戻ったわけではなかった。コミックスに関しても完全に否定されたわけではないが、カーヤ?サウデックの描くものや「リフレー?シーペ」シリーズのような作品はもう出てこなかった。
 共产主义体制が终焉する1989年11月の少し前に、チェコスロヴァキアで创刊された雑誌『コメタ』(彗星の意)は、そうした状况ののちに出现した、コミックス専门の定期刊行物である。『コメタ』は、共产主义体制崩壊后に登场した新雑誌とともに、新世代のコミックスアーティストたちの出版の可能性を切り开いた。しかし、多面的な要因からこのコミックスブームはすぐに収束に向かう。そして1993年以降の数年间、チェコ?コミックは再びチェコ社会からほとんど消えてしまった。その间『チティジリーステック』一誌だけがチェコ?コミックを支え続けていた。现在、チェコのコミックスは自由市场の中で新しいあり方を见出すことができている。



ヴィネトウ Vinnetou (1964-1966)

 1960年代の政治的な规制缓和のひとつの象徴として、长いあいだ禁じられていたジャンルである西部剧が徐々に解禁されていった。この分野のコミックスとしては、このドイツの着名な作家、カール?マイのこの作品のコミカライズが最初に出版された。


Vinnetou ヴィネトウ
Karl May (n.), Gustav Krum (k.)
カール?マイ(原案)、グスタフ?クルム(画)
ともに1966



小さなヴィネトウ Malý Vinnetou (1965-1969)

 ドイツの小説家カール?マイと彼のもっとも有名なヒーロー、インディアン(ネイティブ?アメリカン)の酋长、ヴィネトウの人気は子供向けのコミックスにも波及している。カレル?フランタはヴィネトウの少年时代をユーモラスなコミックスに仕立てている。


Malý Vinnetou
小さなヴィネトウ
Karel Franta (s. a k.)
カレル?フランタ(作?画)
1966,1968



モヒカン族の最后 Poslední Mohykán (1968-1969)

 1960年代末の西部剧小説のコミカライズとしては他にも多くの着名なアメリカ人作家のものがあった。だが、多くの场合それらは安全策をとり、フキダシを使わない形式で描かれていた。


Poslední Mohykán
モヒカン族の最后
James Fenimore Cooper (n.),
Jan Černý-Klatovský (k.)
ジェイムズ?フェニモア?クーパー(原案),
ヤン?チェルニー?クラトフスキー(画)
ともに1969



プレーリーの友 Kamarádi z prérie(1991)

 1990年代の共产主义の崩壊以降、再び西部剧がコミックス市场にあらわれるようになった。このときは着名な西部剧小説のコミカライズだけでなく、国内の脚本家によるオリジナル脚本の作品も出版されている。


Kamarádi z prérie
プレーリーの友
Magda Ziková, Pavel Kosatík (s.),
Jiří Petráček (k.)
マグダ?ズィコヴァー、
パヴェル?コサチーク(作)、
イジー?ペトラーチェク(画)
1991



小さな神様の冒険 Příhody Malého boha (1973-1974)

 共产党の宣伝の一环として、ソビエトの宇宙飞行士の成功は强调されていた。このためある种の厂贵作品は出版を许された。


Příhody Malého boha
小さな神様の冒険
Vlastislav Toman (s.), František Kobík (k.)
ヴラスチスラフ?トマン(作)、
フランチシェク?コビーク(画)
1974



脳の反乱Vzpoura mozků (1977-1979)

 アーティスト、フランチシェク?コビークは幼少期から飞行机と宇宙飞行士に魅了されていた、そのため机械类の事细かな描写が彼にとってとても重要なものだった。


Vzpoura mozků
脳の反乱
Václav Šorel (s.), František Kobík (k.)
ヴァーツラフ?ショレル(作)、フランチシェク?コビーク (画)
1978



ヴラジミール?トゥチャプスキーとテオドル?ロトレクル

「信じがたい出会い」
テオドル?ロトレクルは1960年代から80年代にかけてのもっとも着名な厂贵イラストレーターのひとりである。また彼は二作の厂贵コミックスも制作している。最初の作品は1950年代に描かれ、ここに展示している二番目の作品はその40年后に描かれた。

「クロッカスの国への巡礼」
ヴラジミール?トゥチャプスキーは1980年代実験的なコミックスを地下出版する作家だった。その后、共产党政権が崩壊し彼はチェコのオルタナティブコミックスシーンにおけるもっとも着名なアーティストのひとりになった。


Neuvěřitelná setkání
信じがたい出会い
Vlastimíl Talaš (s.),
Teodor Rotrekl (k.)
ヴラスチミール?タラシュ(作)、
テオドル?ロトレクル (画)
1992

Pouť do Země šafránu
クロッカスの国への巡礼
Vladimír Tučapský (s. a k.)
ヴラジミール?トゥチャプスキー(作?画)
1989



アトランティスの终焉Konec Atlantidy (1989-1900)

 厂贵コミックスは学生向けのロシア语学习雑誌『アガニョーク』(ともしびの意)にも掲载されていた。この雑誌は里表纸でソビエトの厂贵小説のコミカライズが连载されていた。


Konec Atlantidy
アトランティスの终焉
Kir Bulyčov (n.), Miloslav Havlíček (k.)
1990



『コメタ』 Kometa (1989-1992)

 『コメタ』(彗星の意)は1980年代末の政治的な変化以降に创刊されたもっとも重要なコミックス雑誌だろう。特にその初期の号において、当时のチェコ?コミック界でもっとも重要な作家たちの作品を掲载している。
 创刊のころからカーヤ?サウデックも寄稿し、コミックス以外にカバーイラストも手掛けている。
 共产主义体制が终焉する1989年11月の少し前に创刊された『コメタ』は、长年の悲しむべき状况ののちに出现した、コミックス専门の定期刊行物を确立しようとする新たな试みだった。1989年の共产主义体制崩壊后、『コメタ』は政変后に登场した新雑誌とともに新世代のコミックスアーティストたちに出版の可能性を切り开いた。


časopis Kometa
『コメタ』
#4, 1989
#11, 1990

Kometa
『コメタ』
#13, 1990
#19, 1991



『アレーナ』 Aréna (1990-1991)

 『コメタ』誌の成功は他の出版社にも影响を与え、多くの类似したコミックス専门誌が创刊された。中でも良质な雑誌が『アレーナ』だが、他の竞合誌と同様にかなり短命に终わった。


Aréna
『アレーナ』
#2, 1990
#3, 1990



緑のラオウルZelený Raoul (2011)

 共产党政権下では许容されなかった政治风刺は、チェコ国内のコミックスシーンにおいては90年代になって确立された新しいジャンルである。このジャンルでもっとも成功した作品は週刊连载されている「緑のラオウル」のシリーズだろう。この作品のスタイルはたびたび模倣されている。


Zelený Raoul
緑のラオウル
Hruteba (s.), Štěpán Mareš (k.)
フルテバ(作)、
シュチェパーン?マレシュ(画)
1996,2011,2012



リフレー?シーペを踏袭した作品たち

 着名な「リフレー?シーペ」シリーズが、共产主义政権移行期の1948年以降出版されなくなり、その后类似の物语がいくつも描かれるようになった。「リフレー?シーペ」が确立した都会の少年たちのグループがちょっとした冒険をするタイプの作品は、多くの他のチェコのコミックスクリエイターたちによって踏袭されている。例えば展示の「クリフと仲间たち」(1963-1966)、「见张り」(1967-1984)などがそうである。しかし、他のキャラクターたちは共产党の検閲官を「リフレー?シーペ」の主人公たちほど悩ませなかったようだ。


Družina kulišáků
クリフと仲间たち
Jaroslav Foglar (s.), Jiří Krásl (k.)
ヤロスラフ?フォーグラル(作)、
イジー?クラースル(画)
1961

Kronika strážců
ストラージュツェーのクロニクル
Vlastislav Toman (s.),
Lidka Kovaříková, František Kobík (k.)
ヴラスチスラフ?トマン(作)、
リトカ?コヴァジーコヴァー、
フランチシェク?コビーク(画)
1961



青の5人 Modrá pětka (1971-1990)

 「リフレー?シーペ」と同じジャンルに属する「青の5人」のアーティスト、マルコ?チェルマークは1960年代末に描かれた「リフレー?シーペ」の新エピソードのアーティストもつとめている。


Modrá pětka
青の5人
J. B. Kamil (s.), Marko Čermák (k.)
闯.叠.カミル(作)、
マルコ?チェルマーク(画)
1989



海贼の遗产 Pirátův odkaz (1989-1991)

 ミロスラフ?シェーンベルクは幼少期からフランス语圏のコミックス(BD)を好んでいた。そのため彼の作品はフランスの作品から多くの影响を受けている。だが、彼のアートスタイルはカーヤ?サウデックからインスパイアされた部分も大きい。


Pirátův odkaz
海贼の遗产
Antonín Jelínek (s.),
Miroslav Sch?nberg (k.)
アントニーン?イェリーネック(作)、
ミロスラフ?シェーンベルク(画)
1990



共产主义体制下の子ども向けコミックス

 子ども向けのコミックスは共产党政権下でも比较的自由に制作することができた。たとえば着名な『ありのフェルダ』の作者オンドジェイ?セコラは再び昆虫の世界にもどり「マルハナバチ?ブンブン」(1954-1956)を描いた。また、「ロボット?エミル」(1961)のようにSFというモチーフは児童向けコミックスにも浸透した。そこではさまざまなロボットたちがユーモラスな冒険を繰り広げるコミックスが人気を博した。


Čmelák Bzum
マルハナバチ?ブンブン
Ondřej Sekora (s. a k.)
オンドジェイ?セコラ(作?画)
1956

Robot Emil
ロボット?エミル
Jiří Melíšek (s.),
Jiří Winter - Neprakta (k.)
イジー?メリーシェク(作)、
イジー?ヴィンテル-ネプラクタ(画)
1961



ツォウルとツォウレクCour a Courek (1969-1984)

 脚本家スヴァトプルク?フルンチーシュとアーティスト、アドルフ?ボルンは20世纪后半のチェコ?コミックにおいてもっとも印象的なクリエイターコンビの一组である。彼らの手による、猫の父と子のユーモラスな冒険を描いたこの作品は子供向け月刊雑誌『スルニーチコ』(「おひさま」の意)の里表纸で15年间连载されていた。


Cour a Courek
ツォウルとツォウレク
Jan Kloboučník,
Svatopluk Hrnčíř (s.),
Adolf Born (k.)
ヤン?クロボウチニーク、
スヴァトプルク?フルンチーシュ(作)、
アドルフ?ボルン(画)
1977,1979



セクとズラ Sek a Zula (1968-1971)

 「セクとズラ」はアメリカのコミックスによくあるファニーアニマルコミックスのバリエーションである。原始时代を舞台にしたこの作品は、そのチェコ独自のバリエーション展开のひとつである。


Sek a Zula セクとズラ
Miloslav Švandrlík (s.),
Jiří Winter-Neprakta (k.)
ミロスラフ?シュヴァンドゥルリーク(作)、
イジー?ヴィンテル-ネプラクタ(画)
1968, 2004(再録),2005(再録)



ペンギンのピング Tučňák Ping (1970-1971)

 共产党政権下のチェコではディズニー作品は通俗的なものとして理解されていたが、チェコのコミックスアーティストの何人かは成功の度合いはさまざまでありつつも、ディズニー的なアプローチを试みている。


Tučňák Ping
ペンギンのピング
František Roleček (s. a k.)
フランチシェク?ロレチェク(作?画)
ともに1970



ネコのヴァヴジネッツと仲间たち Kocour Vavřinec a jeho přátelé (1966-1976)

 4人(匹)の动物が主人公である「チティジリーステック」の最大のライバルは、少し先立って连载开始された「ネコのヴァヴジネッツと仲间たち」だった。この作品の主人公も四人(匹)の动物たちである。


Kocour Vavřinec a jeho přátelé
ネコのヴァヴジネッツと仲间たち
Dagmar Lhotová, Zdeněk K. Slabý (s.),
Věra Faltová (k.)
ダグマル?ルホトヴァー、
ズデニェク?碍?スラビー(作)、
ヴィェラ?ファルトヴァー(画)
1967



バルバーネック Barbánek (1976-1990)

 ヴィェラ?ファルトヴァーはチェコでもっとも着名な女性アーティストのひとりである。彼女の作品はファニーアニマルものが多いが、同时に子供たちの生活や冒険をユーモラスなタッチで描いた作品を数多く制作している。


Barbánek
バルバーネック
Jiří Havel (s.), Věra Faltová (k.)
イジー?ハヴェル(作)、
ヴィェラ?ファルトヴァー(画)
1984



ファニーアニマルコミックスのバリエーション

 犬と猫に加えてブタもファニーアニマルのジャンルではもっともメジャーな動物の一種である。例えば「叁匹の子ブタ」(1982-1988)。このシリーズでは3頭の家畜の(擬人化された)ブタが不平屋の野生のイノシシと争う。アフリカや先史時代の動物たちも登場したりするし、さらには、オーストラリアの動物たちもチェコのコミックスには登場する。そのため「クロックとクロチェク」 (1988-1990)のように、カンガルーがメジャーなキャラクターなのは驚くべきことではないだろう。


Klok a Kloček
クロックとクロチェク
Jaroslav Boček (s.), Jaroslav Malák (k.)
ヤロスラフ?ボチェク (作)、
ヤロスラフ?マラーク (画)
1991

Tři prasátka
叁匹の子ブタ
Karel Šebánek, Jaroslav Pacovský (s.),
Jaroslav Malák (k.)
カレル?シェバーネック、
ヤロスラフ?パツォフスキー (作)、
ヤロスラフ?マラーク(画)
1983



アンチャとペピーク Anča a Pepík (1989-2000)

 おそらく共产主义崩壊后もっとも成功したファニーアニマルコミックスは二匹のネズミを主人公とした冒険物语「アンチャとペピーク」だろう。この作品は2回ハードカバー単行本化され、TVアニメ化もされている。今期原画展示作家の子ども向けで成功した作品である。


Anča a Pepík
アンチャとペピーク
Lucie Lomová (s. a k.)
ルチエ?ロモヴァー (作?画)
1992,2017




特集1: Kája Saudek カーヤ?サウデック




カーヤ?サウデック 1

 この时期のもっとも杰出したチェコのコミックスアーティストであるカーヤ?サウデック(1935–2015)は、まずは趣味で创作し、自作をコピーして友人たちに配っていた。彼は独自の风刺をベースにした作风を磨き続けたが、东侧阵営下の社会において、彼のアートスタイルはアメリカのコミックブックの影响を受け过ぎていた。そのため彼は1960年代后半までチェコスロヴァキア国内で正式に作品を出版することができなかった。1960年代末には政治状况も缓和されており、しばしばセクシーな女性の曲线美で大人の読者の目を楽しませる彼のコミックス作品が公式に出版を许されはじめた。当时の読者にとって西侧のコミックスはなじみがないものだったため、それらの作品は斩新な惊きをもたらし、すぐに大きな人気を获得した。だが当时、検閲が以前より厳しくなかったにもかかわらず、サウデックのコミックスはあまりに「アメリカ风」过ぎた。そのために彼の作品は完结を待たずに当局から出版を差し止められることになった。


SuperHana v zeleném pekle
スーパーハナ、緑の地狱で
Kája Saudek (s. a k.)
カーヤ?サウデック(作?画)
1966



カーヤ?サウデック 2

 カーヤ?サウデックは、映画脚本家ミロシュ?マツォウレク(1926–2002)と组んで、美しい女医ムリエルを主人公としたグラフィックノベルを制作した。この作品はジーン?クロード?フォレストのフランスのコミックス作品「バーバレラ」から影响を受けたもので、プロットは、1960年代の高扬した、しかしまだ纯朴な文化状况を反映している。不幸にも作品完成前の1968年8月、チェコスロヴァキアはワルシャワ条约机构军によって占领される。彼らはコミックスを通してこの状况に抵抗しようとした。ムリエルの第2作「ムリエルとオレンジ色の死」を、异星人による地球侵略の物语にすることで、作品を现在の出来事についてのアレゴリーに仕立てようとしたのである。このコンビは1969年に合计で200ページを超える二册のアルバムを描きあげた。だが、クリエイターたちの様々な努力にもかかわらず、1989年の政変までチェコスロヴァキアでの出版が许されることはなかった。


Muriel a andělé
ムリエルと天使たち
Miloš Macourek (s.), Kája Saudek (k.)
ミロシュ?マツォウレク(作)、
カーヤ?サウデック (画)
2014年 (復刻版)



カーヤ?サウデック 3

 サウデックはこの作品で19世纪の大众小説「リップス?トゥリアン」のパロディーのかたちをとることでなんとか「文化监督官」による検閲を出し抜こうとした。しかし週刊誌『ムラディー?スヴィェット』(「若い世界」の意)で连载が开始された1年后にはこれも発禁処分を受けている。


Lips Tullian
リップス?トゥリアン
Jaroslav Weigel (s.), Kája Saudek (k.)
ヤロスラフ?ヴァイグル(作)、
カーヤ?サウデック (画)
ともに1972



カーヤ?サウデック 4

 1980年代を通じてサウデックのコミックスは事実上、発行禁止処分状态だった。この状况が打破されはじめたのは、体制に政治的绽びが见えはじめた共产主义体制崩壊直前の时期である。


3× Kája Saudek
3×カーヤ?サウデック
Miloš Macourek,
Josef Nesvadba,Ondřej Neff (s.),
Kája Saudek (k.)
ミロシュ?マツォウレク、
ヨゼフ?ネスヴァドバ、
オンドジェイ?ネフ(作)、
カーヤ?サウデック(画)
1989



カーヤ?サウデック 5

 カーヤ?サウデックはさまざまな実力派ライターとともに仕事をしているが、人気作『リフレー?シーペ』の脚本家であるヤロスラフ?フォーグラルとも组んで仕事をしている。


Jeskyně Saturn
サターンの洞窟
Jaroslav Foglar (s.), Kája Saudek (k.)
ヤロスラフ?フォーグラル(作)、
カーヤ?サウデック(画)
1991




特集2:Č迟测ř濒í蝉迟别办 チティジリーステック




『チティジリーステック』 Čtyřlístek (1960年代-)

 子供向けのコミックス雑誌『チティジリーステック』(四つ叶のクローバーの意)は1960年代末の政治的规制が缓んだ时期に创刊された。雑誌の设立者の一人であるコミックスアーティスト/イラストレーターのヤロスラフ?ニェメチェク(1944-)は幼いときレネー?クラパッチのコミックストリップに亲しんでいた。また、のちに彼は海外旅行の际に出会った西ヨーロッパの児童向けコミックス雑誌からインスピレーションを与えられた。この雑誌のタイトルにもなっている作品「チティジリーステック」は4匹の动物の仲良しグループを描いたもの。主人公は拟人化された猫の男の子、犬の女の子、子ブタ、子ウサギという4人(匹、羽)の动物である。


Čtyřlístek č. 2
『チティジリーステック』2号
1991(復刻版)

Figurky protagonistů Čtyřlístku
チティジリーステック主人公たちの
フィギュア
2017



『チティジリーステック』 Čtyřlístek (1960年代-)

 1970年代初头、チェコスロヴァキアの政治情势は厳しくなっていた。『チティジリーステック』誌は共产政権下において、月刊で発行できなかった。だが、不定期な刊行スケジュール(不规则に年9册程度刊行された)ながら、同种の娯楽が他に存在しなかった当时のチェコスロヴァキアで爱された。
 1989年以降、『チティジリーステック』誌は突然トムとジェリーや、ミッキー?マウスといった国外のキャラクターのコミックス雑誌との竞合にさらされることになった。
 『チティジリーステック』誌は共产主义から资本主义への社会の変化と诸问题をくぐり抜け、今日もっとも成功したチェコ语児童向けコミックス雑誌であり続けている。また、コミックス「チティジリーステック」シリーズは、1000话以上のエピソードが発表されており、チェコ?コミック史上最长のシリーズになっている。


Čtyřlístek č. 179
『チティジリーステック』通巻179号
1991

Čtyřlístek - prsťáčci
チティジリーステックの指人形
2017



『チティジリーステック』の别册や増刊

 通常の雑誌のラインに加え、『チティジリーステック』誌は毎年4から6册の特别号や别册、増刊を発行している。


Čtyřlístek Speciál
『チティジリーステック』特别号
#2, 1994
#3, 1995



『チティジリーステック』関连グッズ

 无论、『チティジリーステック』誌は大规模なキャラクタービジネスと结びついている――スタンプ、カレンダー、Tシャツ、プラスティック製のフィギュアなど多くのキャラクター商品が贩売されている。


známky se Čtyřlístkem - bločky
チティジリーステック切手 - シート
2010

Kalendář Čtyřlístek
チティジリーステック カレンダー
2014

Figurky protagonistů Čtyřlístku
チティジリーステック主人公たちのフィギュア
2017

Čtyřlístek - prsťáčci
チティジリーステックの指人形
2017



『チティジリーステック古代记』
Starodávné příběhy Čtyřlístku (2017)

 チティジリーステックの冒険物语群は、旧作と描きおろしを织り交ぜたアンソロジー版も出版されている。


Starodávné příběhy Čtyřlístku
『チティジリーステック古代记』
2017

Figurky protagonistů Čtyřlístku
チティジリーステック主人公たちの
フィギュア
2017