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国际日本学研究科

第5回 国際日本学学術集会を開催しました

2024年11月28日
明治大学 国际日本学研究科

秋晴れが清々しく景色が美しい北京大学において、2024年10月26日?27日の2日间、第5回国际日本学学术集会を开催しました。
この国際日本学学術集会は、2019年に明治大学国际日本学研究科と北京大学外国語学院とが協定を締結したことをきっかけに始まったもので、年1回開催しています。2020年の第2回までは、日本語学?日本語教育学の分野だけの学術集会でしたが、第3回からは雲南大学外国語学院からの参加も得て、日本学全般に範囲を広げています。
今年度は第5回となり、3つの大学を中心に、オンライン参加者も含め约60名の教员と大学院生が参加し、9本の教员讲演と7本の学生発表があり、热心な讨议が行われました。秋は収穫の季节であるとともに、思索と创造の好机でもあります。この国际日本学学术集会での深い议论と交流が、参加された皆様の研究のさらなる発展と、未来への道の开拓につながることを愿っております。

     
北京大学での现地参加者


10月26日(土)
司会 北京大学 孫建軍   
挨拶 北京大学外国语学院副院长 呉杰伟教授
北京大学 潘鈞 / 雲南大学 羅椿詠 / 明治大学 田中牧郎

◇パネルディスカッション「近代日本学のこれから-言语?文学?歴史-」

1.文体史から見る「ものす(る)」の歴史的変化            余飛洋(雲南大学)
2.芥川龙之介文学における物语と人间               小谷瑛辅(明治大学)
3.山县初男とその中国文学翻訳の轨跡について           罗椿咏(云南大学)
4.汉语基本语化から外来语基本语化へ-雑誌コーパスによる考察-  田中牧郎(明治大学)
5.和汉混淆文の成立とその外延について              潘钧(北京大学)

 
会场の写真1                    会场の写真2


田中牧郎先生讲演


小谷瑛辅先生讲演


10月28日(日)
◇教员讲演
6.大江健叁郎文学における鲁迅の受容-『狂人日记』を中心に-        翁家慧(北京大学)

◇若手教员报告
7.近代日本产育习俗における石の信仰—『日本产育习俗资料集成』を中心に-  宋丹丹(云南大学)
8.汉语を构成する単汉字の日中の意味の异同に関する考察—和製汉语を対象に- 黄丛丛(明治大学)
9.律の运用から见る近世琉球法と中国法の比较研究—「违令」条を中心に-   王天驰(北京大学)

◇学生発表
10.“Foreign Affairs”の訳語から見る中日外交機関名称の変遷
  -「外务」と「外交」を例として-                   熊怡萱(北京大学大学院生)
11.『清议报』対訳コーパスの绍介                     古谷创(明治大学大学院生)
12.东亜同文书院『大旅行誌』から见た近代云南の地域像
  -第八期生と第十五期生の记録を例に-                 张琪(云南大学大学院生)
13.戦后漫画史における手塚史観の変迁について               小岛淳之介(明治大学大学院生)
14.日本の初期オスカー?ワイルド受容                    佐野日菜子(明治大学大学院生)
15.『源氏物語』須磨巻における越境について                 胡凌鋒(北京大学大学院生)
16.基本动词「振る」の多义分析-认知意味论の视点からの考察-       殷雯丽(云南大学大学院生)


黄丛丛先生研究発表


古谷创さん研究発表


小岛淳之介さん研究発表


参加した大学院生の印象记

おもしろうてやがてせつなき酒会かな            古谷创(日本语学研究)
二泊叁日の旅程とは思えないほど、密度の浓い北京行きとなりました。ホスト役を担当された北京大学の皆さんの心遣いと、东京~北京间とほぼ変わらない距离を飞んできてくださった云南大学の皆さんの心意気が、今更ながら胸にしみます。また黄丛丛さんの献身的なサポートのおかげで、何の忧いもなく楽しい时间を过ごすことができました。
全ての日程が终わってゲストハウスの部屋に戻ったとき、久々に「せつない」という感覚に満たされました。それは楽しい时间がもうすぐ终わってしまうと気づいたとき、ふと访れる感覚なのだと思います。同时にそれは、明るいうちは会场を密度の浓い议论で満たし、暗くなれば杯を密度の浓い白酒(ばいちゅう)で満たしたからこその感覚でもあるのでしょう。少し大げさな言い方になりますが、その感覚を再び味わうために、今のうちからじっくりと议论の仕込みを始めるつもりです。
なお、密度の浓い议论の一端については「要旨集」をどうぞご覧ください。

碧空                         小岛淳之介(日本文学研究)
溺れるような気分である。
秋の北京は东京より寒かった。空気が悪く、少し先が曇って视界が悪い。私は风邪をひいていて、他の方の発表の间、ティッシュで鼻をすすってばかりいた。それに加えて、乗り物酔い。それはまるで、自分の研究状况を表しているようだった。
綺丽な北京大学の宿に泊まっているというのに、部屋の中に资料を散らかし、夜通しまとめていた。そして临んだ自分の発表は、ドキドキとした动悸だけは覚えているのに、いつの间にか终わっていた。
今回の学术集会のおかげで、多様な研究领域の方々の前で発表する机会に恵まれた。自分の研究を発表の形にまとめることもできた。感谢したい。
発表を终えた翌朝、散らかっていた部屋を片付けた。カーテンを开けると、明るい光が入ってきた。そこから见える窓の外の空は、澄んでいた。



要旨集(発表顺)

1.文体史から見る「ものす(る)」の歴史的変化        余飛洋(雲南大学)
「ものす(る)」は平安时代の和文に発し、物语类の中で多用された。中世では「ものす(る)」は、中世文语において、中古の用法を受け継ぎ、「王朝物语」と一部の拟古的「歴史物语」の中で使われ、且つ拟古文における雅语としての位置づけが确立した。
近世になると、江戸时代の国学者の间では、古言を用いた雅文体の文章が作られていた。「ものす(る)」も、雅文体の文章で活用されていた。明治以降、「ものす(る)」は文章语として认められ、小説をメインとした书き言叶の中で、主に文芸作品を「作る、完成する」の意味用法で使われ続けている。

2.芥川龍之介文学における物語と人間            小谷瑛輔(明治大学)
芥川龙之介の小説では、愿望、不安、梦、嘘、妄想、虚构など、非现実の物语的な认识が登场人物や事态に作用することが描かれることが多い。芥川龙之介の小説では、物语と人间の関係を描くことが眼目になっていることが多いのである。今回はこのことについて、芥川龙之介の名を象徴するタイトルが与えられ、芥川の文学的なアイデンティティが赌けられたものと目される「龙」(1919年)という作品を取り上げて、芥川がどのようなものとして自己の文学を捉えていたのか、また表现しようとしていたのか、という観点から、分析を试みる。

3.山县初男とその中国文学翻訳の轨跡について         罗椿咏(云南大学)
初男は、陆军大佐であり、日本陆军参谋本部の中国通として知られ、中国に四十年以上滞在した。彼の着作には『西蔵通覧』や『老子と易経の比较研究』などがあり、さらに清末の『緑野仙踪』や『野叟曝言』といった章回小説、および巴金や张恨水をはじめとする民国期の作家による多くの作品を日本语に翻訳して出版した。本研究では、山县初男の略年谱と着作目録を整理し、彼の中国文学翻訳の轨跡を明らかにする。その上で、彼の文学翻訳の特徴を分析し、近代中国白话小説の日本语訳において、山县初男の翻訳が果たした役割とその位置付けを検讨する。

4.汉语基本语化から外来语基本语化へ-雑誌コーパスによる考察-    田中牧郎(明治大学)
古代はほぼすべて和语だった日本语の语汇は、次第に中国语から多くの汉语を借用し、明治期には半数以上をも占めるようになる。その后、西洋から借用した外来语が増え、现代では、和语3割、汉语5割、外来语1割、混种语1割となっている。汉语や外来语は、単に増加するだけでなく、语汇の深いところに顺次入り込み、基本语化するようになり、既存の和语との间に、意味や文体の面で紧密な関係を构筑して、语汇体系の中核を担うようにもなる。こうした过程を、近年整备された通时コーパスの雑誌データを用いて、実証的に明らかにする。

5.和汉混淆文の成立とその外延について       潘钧(北京大学)
上代からの和汉融合に端を発して明治の普通文へと长い命を保ってきた和汉混淆文という文体が果たしてどのように生まれ、そしてどこまでカバーできるか、即ちその成立と外延は、正直なところ、いまだ定説のようなものはない。本発表は、従来の种々の説を调査吟味したうえ、整理しようとするものである。一见普通に使われてきている文体用语ではあるが、実は复雑な様态を呈しており、より突っ込んだ研究をする必要があることを提示し、今后の、文体に関する更なる研究を期待したい。

6.大江健叁郎文学における鲁迅の受容-『狂人日记』を中心に-    翁家慧(北京大学)
1960年代、大江健叁郎は鲁迅の『狂人日记』の「子どもを救え」という一文を主题に『食人の平和』という短诗を书き、またその诗を核とし、短编小説『生け贄男は必要か』を书いた。その短诗と短编小説はともに小説集『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』に収録された。本稿では『狂人日记』の日本语訳の诸本から大江が短诗と短编小説に直接引用するものを考証し、引喩のみならず、文体や思想の面も含め、大江の诸作が『狂人日记』との间に起こる间テキスト性を考察してみる。

7.近代日本产育习俗における石の信仰—『日本产育习俗资料集成』を中心に-   宋丹丹(云南大学)
近代における全国の产育习俗を集めた『日本产育习俗资料集成』をもとに、石を用いた产育习俗の290件に及ぶ事例を分析し、产育习俗と石との関係を分析した。とくに従来の研究では子授け、安产、子どもの成长など、无事に生まれ育つことを前提として分析する倾向が强かった。これに対して本発表では、安产祈愿だけではなく、避妊、堕胎と间引きの习俗にも注目して分析を行った。产育习俗のなかで用いられた石は、安产を愿うほかに、避妊や间引きにも用いられていたことを具体的に明らかにしたい。これによって、石に託された「产む」ことを愿う民俗の心性だけでなく、「产まない」ことを愿う民俗の心性にも迫ることができたと言える。

8.汉语を构成する単汉字の日中の意味の异同に関する考察—和製汉语を対象に-   黄丛丛(明治大学)
単汉字の日中両语の意味の异同が中国人日本语学习者における和製汉语の意味推测の难易と大きく関わることが指摘されている。しかし、両言语の意味の异同を同定するという作业は容易でない。これまでの研究では辞书の意味记述に基づき意味の异同を判定してきたが、辞书により意味区分や记述が异なり、中国人日本语学习者が単汉字から想起しやすい意味が辞书の意味记述と同じであるとは限らない。そこで、本研究では単汉字の日中両语の意味の异同について新たな判定方法を提案する。発表では中国语の単汉字の意味と一致している和製汉语とそうでない和製汉语を示し、その倾向について解説する。

9.律の运用から见る近世琉球法と中国法の比较研究—「违令」条を中心に-     王天驰(北京大学)
清朝と琉球王国の法典(『大清律例』/『新集科律』)には、「违令」という条目が存在する。この「违令」条は明律から受け継がれたものであるが、清朝及び琉球において「令」という制度そのものが存在しないため、「违令」条は形式的には维持されたものの、その立法当初の理念からは大きく乖离している。清朝と琉球はそれぞれ独自に「令」を法律上再定义したが、実际の运用において、清朝では「违令」条が官吏に対する惩戒処分条例として整备され、琉球では民间人の軽微な犯罪に适用されるようになり、いずれの场合も条文上の定义とは大きく异なる运用がなされている。

10.“Foreign Affairs”の訳語から見る中日外交機関名称の変遷-「外務」と「外交」を例として-   熊怡萱(北京大学大学院生)
英語の"Ministry of Foreign Affairs"は、現在中国では「外交部」、日本では「外務省」と訳されているが、近代において両国の外交部門の名称はさまざまな変遷を経てきた。本稿は、"Foreign Affairs"に対応する中日両国の訳語の推移を分析し、「外務部」「外交部」「外務省」が近代中国と日本でどのように使用され、両国の外交機関の沿革にどのように関わってきたかを考察するものである。また、「外務」や「外交」の語源にも着目し、それらが近代の外国人宣教師によって古代漢語とは異なる意味を持つようになった背景を明らかにする。

11.『清议报』対訳コーパスの绍介          古谷创(明治大学大学院生)
『清议报』(1898-1901)は横浜で刊行された中国语雑誌であり、日本语に由来する近代语(新汉语)の中国への伝播や、中国人の国家意识の生成という视角から研究されてきた。报告者は、同誌に掲载された中国语の翻訳记事とその出典の日本语雑誌记事を収録し、全文検索が可能な『清议报』対訳コーパスを构筑している。本报告ではまず、构筑の过程で明らかになった出典や原着者の情报を绍介する。さらに、原文と訳文を対照した例として、「国民」と「人民」の违いを取り上げ、同誌による「国民」意识生成の新たな一面を明らかにすることを目指す。

12.东亜同文书院『大旅行誌』から见た近代云南の地域像-第八期生と第十五期生の記録を例に-    張琪(雲南大学大学院生)
东亜同文书院の『大旅行誌』を通じて、近代云南の地域像を分析する。本研究は、1910年の第八期生と1917年の第十五期生の旅行日记を比较し、云南地方の社会、経済、文化、政治、および意识の変化を考察した。第八期生は清末の安定した社会と现地住民との亲近感を记録している。一方、第十五期生は军阀时代の不安定さや外部势力の影响を反映し、帝国主义の影响下で中国人に対する优越感を示した。本研究は、异なる歴史的背景に基づく云南地域像の构造的および心理的変容を包括的に理解することを目的とする。

13.戦后漫画史における手塚史観の変迁について     小岛淳之介(明治大学大学院生)
「漫画の神様」とも称される、手塚治虫。手塚を、映画的手法を取り入れ、戦后ストーリー漫画の起源となった漫画家とし、その存在を戦后漫画の中心に位置づける言説は多数见られる。そのような言説は、いわゆる「手塚史観(手塚中心史観)」と呼ばれる。本発表では、手塚自身も刊行に関わり、漫画の実作?批评?交流の场として革新的だったとされる漫画雑誌『颁翱惭』の読者投稿栏「ぐらこんロビー」を调査することにより、そこに见られる手塚治虫评価の特徴を考え、手塚史観の成立との関连を考察する。

14.日本の初期オスカー?ワイルド受容         佐野日菜子(明治大学大学院生)
日本の近代文学史において基础を作りあげたとされているのは明治40年前后の自然主义である。それに対抗する形で现れたのが谷崎润一郎を中心とする唯美主义である。谷崎ら唯美主义の作家たちはイギリスの作家オスカー?ワイルドの影响を受けていることが知られている。しかし、オスカー?ワイルド受容に関しては、同时代の资料に十分即した研究はこれまでなされてこなかった。本発表では受容初期のワイルド関连言説を调査し、どのような知识が日本にもたらされていたのか、そしてそれはどのように受容されていたのかを検讨する。

15.『源氏物语』须磨巻における越境について       胡凌锋(北京大学大学院生)
『源氏物语』の须磨巻は光源氏の须磨への出立ちと须磨での謫居生活を记述した。光源氏の须磨への退去は故郷から异郷までの移転を意味している。この意味で须磨巻は光源氏の「越境の旅」を主题にしたと言えよう。须磨巻の越境描写を分析すると、これらの表现は望郷の感情をはじめとする心境を表し、自己意识と帰属意识の変化を提示していることが窥われる。また、须磨巻は越境を通じて精神的な异郷を成立させながら须磨下りの物语を语ったと考えられる。

16.基本动词「振る」の多义分析-认知意味论の视点からの考察-   殷雯丽(云南大学大学院生)
動詞「振る」は使用頻度の高い基本動詞であり、多義動詞でもある。本研究は、「振る」の複数の意味の関連性を考察することを目的とする。まず、複数の辞書やコーパスのデータを基に、「振る」の意味カテゴリーとそのプロトタイプ的意味を明らかにする。次に、メタファー及びメトニミー理論を援用し、「振る」の意味拡張のプロセスを分析し、意味の関連性を示す意味拡張ネットワークを構築する。同時に「振る」の各意味の共起項を明示し、複数の意味を再記述?再整理する。キーワード:基本動詞 メタファー メトニミー 意味拡張












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