2026年02月03日
特别讲演会『近世新吉原游廓の実像と现代』开催报告
2026年01月16日
明治大学 情报コミュニケーション学部ジェンダーセンター
2025年11月17日(月)
特别讲演会『近世新吉原游廓の実像と现代』
【登坛者】
横山百合子氏(国立民族学博物馆名誉教授、明治大学文学部ほか兼任讲师)
東京都生まれ。フランス社会科学高等研究院客員教授(2024年3月)。東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程修了。博士(文学)。専門は日本近世史、ジェンダー史。著書に『明治維新と近世身分制の解体』(山川出版社, 2005年)、『江戸東京の明治維新』(岩波書店,2018年)、「遊女の「日記」を読む:嘉永二年梅本屋佐吉抱え遊女付け火一件をめぐって」(長谷川貴彦編『エゴ?ドキュメントの歴史学』岩波書店、2020年) 他、共著?論文多数。2020年10~12月開催の国立歴史民俗博物館企画展「性差(ジェンダー) の日本史」では展示代表を務め、同企画展には2万人以上が訪れた。
【主催】明治大学情报コミュニケーション学部ジェンダーセンター
【日时】2025年11月17日(月)18:00?20:00(17:30开场)
【会场】明治大学骏河台キャンパス グローバルフロント グローバルホール
【コーディネーター】
水戸部由枝(明治大学政治経済学部教授)
高峰修(明治大学政治経済学部教授)
【来场者数】70名
【报告】水戸部由枝
横山百合子氏が展示代表を務め、2020年10~12月に開催された国立歴史民俗博物館企画展「性差(ジェンダー)の日本史」に、2万人以上が訪れたことは記憶に新しい。横山氏は、同企画展カタログ(2020)、『新書版 性差の日本史』(インターナショナル新書,2021)をはじめ、日本近世史?ジェンダー史の専門家として、これまで数々の著書?共著書?論文を発表し、講演を重ねている。代表作として、著書『明治維新と近世身分制の解体』(山川出版社,2005)および『江戸東京の明治維新』(岩波書店,2018)、共著「遊女の「日記」を読む:嘉永二年梅本屋佐吉抱え遊女付け火一件をめぐって」(長谷川貴彦編『エゴ?ドキュメントの歴史学』(岩波書店、2020年)があげられ、最近では、本報告書でふれる、雑誌『世界』(2025.08)での論稿「吉原と日本人:性の尊厳にたどり着くまで」や、フランス社会科学高等研究院客員教授としての講演「歴史のなかの女と暴力:日仏の事例から」(日仏会館,2025.10.3)など、目覚ましい活躍を続けている。
近世日本の游郭研究の第一人者である横山氏が强调するのは、歴史学の方法による本格的な游廓研究はようやく2010年代以降はじまった点である。横山氏によると、游郭は罢痴ドラマやアニメなどで话题にされ、「吉原は光と闇の世界」、「金さえあれば身分の差なく扱われる解放空间」、「ファッションリーダーが活跃する文化の源」など、さまざまな见方がなされてきた。本讲演に先立って寄せられた质问のなかにも、「阶层构造?キャリアデザイン?人材育成方法」、「花魁ドリーム」、「游郭内での格差は运なのか个々人の能力の违いなのか」を问うものや、人身売买状况、近世吉原游廓と近代の売买春との连続性に関する内容、なかには「大河ドラマやアニメなどでの游郭?游女の描き方が表层的で、娯楽作品とはいえ、误解を招き、特に子どもたちに一方向の先入観を与えるのではないか」と悬念を示す质问もあった。近世の游郭?游女のイメージは人それぞれ异なり、私たちはその解釈をめぐって、実态を掴み切れず混乱した状况に立たされている。
そこで本讲演では、「明らかになってきた游廓と游女の姿を「性と社会」の视点からふり返り、その歴史から何を学ぶべきかを考える」という趣旨のもと、寄せられた质问に可能な限り応答する形でお话を伺った。讲演内容の构成は、①近世の游郭、②近世社会と游郭の関係、③近世游郭が现代に问うものとは何か、の主に3点である。①では、游女屋が人身を所有して売春(性売)を强制する人间の商品化(游女)と、身代金?仕置?文化による精神的支配(序列?竞争)を轴とする游女の管理について、②では、戦争后の秩序化?全国的金融ネットワークへの组み込み?男性集団管理の手段の3つの観点から性の道具化と権力による保护について、③では、现代の売买春を取り巻く问题と関连させて、性の売买はサービスの売买なのか、およびドラマ、アニメなど性売买を支える文化の役割とは何か、について考察した。
横山氏の研究の特徴としては、厖大な一次史料にもとづきながら、忠実かつ慎重に歴史を记述すること、游女の视点から歴史を捉えることがあげられよう。本讲义でも当时の史资料、たとえば喜多川歌麿などによる游女の絵画、新吉原游郭の地図、吉原细见図、吉原张见世の写真、局见世の内部図、游郭をめぐる金融ネットワーク図、非合法业者の営业地一覧表、放火に関する年表、游客数の统计表、游女の日记などを提示しながら丁寧に説明されていた。ことに游女の日记や放火裁判史料の分析については、イギリス史家の长谷川贵彦氏が横山氏の讲演「游女の「日记」を読む:人は、いつ、何を、なぜ书こうと思うのか」(北海道大学大学院研究院,2025.11.29)へのコメントで、「游女の日记は「书く」行為による主体形成の表れであり、裁判史料は史料を逆なでに読むことで游女の声の発见につながる。エゴ?ドキュメント(书简?日记?自伝?回顾録?裁判记録など「一人称」で书かれた史料)研究の模范例である」と高评価している。
本讲演でとりわけ印象的だったのは、「吉原细见」と游女の序列に関する分析である。蔦谷重叁郎が定型化し、通常毎年二回出版された「吉原细见」には、吉原のすべての游女の名が店ごとに扬代金の顺で书かれており、「吉原细见」は廓そのものにとっても必须の出版物だった。この「吉原细见」について、横山氏は二つの役割があったと指摘する。第一に、客にとっての便利なガイドブックとしての役割、第二に、游女と游女屋の序列化とその可视化である。この序列化と可视化は、竞争の组织化を促がした。游女たちの生活の端々に至るまでその序列が浸透し、游女たちに廓の秩序を受け入れさせ、顺応させるうえで、极めて有効な手段となった。その一例として横山氏は、嘉永二年(1849)に梅本屋という游女屋で、过酷な待遇に堪えかねた16人の游女が共谋して放火し、直ちに自首し妓楼主の非道を诉えた事件に着目する。そして、决行の意思を固めるために书かれた誓纸の名前顺が「吉原细见」の记载顺であったことは、廓への反抗という场においてさえ、序列が游女たちに深く内面化されていたことを示す、と指摘する(『世界』178-179参照)。「(吉原)文化」は、どのように美しく芸术的であったとしても、廓での过酷な现実のなかで、游女支配の装置としても机能していく」のだ(『世界』179)。
讲演后のアンケートでは、「学术的な知见を得られたことで(吉原)游郭?游女?花魁に対するイメージが大きく変わった」といった内容がもっとも多かった。ほか、「游郭ほど表象と実像の差が甚だしいものはない」、「人身売买を禁じた一方、奉公という形で合法化したことは性产业と国家の密接な関わりの象徴である」、「常に男性中心の世界であると感じた」、「「昔」というブラックボックスに入ってしまうものを、当时の规范も含めてきめ细かく検証していくことの重要性を感じた」などの意见?感想が寄せられた。実証研究の成果が游郭?游女の过酷な状况への理解を深めさせ、また、今もなお解决されていない売买春や性暴力の问题、性の尊厳と女性の人権确立について考える机会を提供した点で、示唆に富む大変有意义な讲演であった。
特别讲演会『近世新吉原游廓の実像と现代』
【登坛者】
横山百合子氏(国立民族学博物馆名誉教授、明治大学文学部ほか兼任讲师)
東京都生まれ。フランス社会科学高等研究院客員教授(2024年3月)。東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程修了。博士(文学)。専門は日本近世史、ジェンダー史。著書に『明治維新と近世身分制の解体』(山川出版社, 2005年)、『江戸東京の明治維新』(岩波書店,2018年)、「遊女の「日記」を読む:嘉永二年梅本屋佐吉抱え遊女付け火一件をめぐって」(長谷川貴彦編『エゴ?ドキュメントの歴史学』岩波書店、2020年) 他、共著?論文多数。2020年10~12月開催の国立歴史民俗博物館企画展「性差(ジェンダー) の日本史」では展示代表を務め、同企画展には2万人以上が訪れた。
【主催】明治大学情报コミュニケーション学部ジェンダーセンター
【日时】2025年11月17日(月)18:00?20:00(17:30开场)
【会场】明治大学骏河台キャンパス グローバルフロント グローバルホール
【コーディネーター】
水戸部由枝(明治大学政治経済学部教授)
高峰修(明治大学政治経済学部教授)
【来场者数】70名
【报告】水戸部由枝
横山百合子氏が展示代表を務め、2020年10~12月に開催された国立歴史民俗博物館企画展「性差(ジェンダー)の日本史」に、2万人以上が訪れたことは記憶に新しい。横山氏は、同企画展カタログ(2020)、『新書版 性差の日本史』(インターナショナル新書,2021)をはじめ、日本近世史?ジェンダー史の専門家として、これまで数々の著書?共著書?論文を発表し、講演を重ねている。代表作として、著書『明治維新と近世身分制の解体』(山川出版社,2005)および『江戸東京の明治維新』(岩波書店,2018)、共著「遊女の「日記」を読む:嘉永二年梅本屋佐吉抱え遊女付け火一件をめぐって」(長谷川貴彦編『エゴ?ドキュメントの歴史学』(岩波書店、2020年)があげられ、最近では、本報告書でふれる、雑誌『世界』(2025.08)での論稿「吉原と日本人:性の尊厳にたどり着くまで」や、フランス社会科学高等研究院客員教授としての講演「歴史のなかの女と暴力:日仏の事例から」(日仏会館,2025.10.3)など、目覚ましい活躍を続けている。
近世日本の游郭研究の第一人者である横山氏が强调するのは、歴史学の方法による本格的な游廓研究はようやく2010年代以降はじまった点である。横山氏によると、游郭は罢痴ドラマやアニメなどで话题にされ、「吉原は光と闇の世界」、「金さえあれば身分の差なく扱われる解放空间」、「ファッションリーダーが活跃する文化の源」など、さまざまな见方がなされてきた。本讲演に先立って寄せられた质问のなかにも、「阶层构造?キャリアデザイン?人材育成方法」、「花魁ドリーム」、「游郭内での格差は运なのか个々人の能力の违いなのか」を问うものや、人身売买状况、近世吉原游廓と近代の売买春との连続性に関する内容、なかには「大河ドラマやアニメなどでの游郭?游女の描き方が表层的で、娯楽作品とはいえ、误解を招き、特に子どもたちに一方向の先入観を与えるのではないか」と悬念を示す质问もあった。近世の游郭?游女のイメージは人それぞれ异なり、私たちはその解釈をめぐって、実态を掴み切れず混乱した状况に立たされている。
そこで本讲演では、「明らかになってきた游廓と游女の姿を「性と社会」の视点からふり返り、その歴史から何を学ぶべきかを考える」という趣旨のもと、寄せられた质问に可能な限り応答する形でお话を伺った。讲演内容の构成は、①近世の游郭、②近世社会と游郭の関係、③近世游郭が现代に问うものとは何か、の主に3点である。①では、游女屋が人身を所有して売春(性売)を强制する人间の商品化(游女)と、身代金?仕置?文化による精神的支配(序列?竞争)を轴とする游女の管理について、②では、戦争后の秩序化?全国的金融ネットワークへの组み込み?男性集団管理の手段の3つの観点から性の道具化と権力による保护について、③では、现代の売买春を取り巻く问题と関连させて、性の売买はサービスの売买なのか、およびドラマ、アニメなど性売买を支える文化の役割とは何か、について考察した。
横山氏の研究の特徴としては、厖大な一次史料にもとづきながら、忠実かつ慎重に歴史を记述すること、游女の视点から歴史を捉えることがあげられよう。本讲义でも当时の史资料、たとえば喜多川歌麿などによる游女の絵画、新吉原游郭の地図、吉原细见図、吉原张见世の写真、局见世の内部図、游郭をめぐる金融ネットワーク図、非合法业者の営业地一覧表、放火に関する年表、游客数の统计表、游女の日记などを提示しながら丁寧に説明されていた。ことに游女の日记や放火裁判史料の分析については、イギリス史家の长谷川贵彦氏が横山氏の讲演「游女の「日记」を読む:人は、いつ、何を、なぜ书こうと思うのか」(北海道大学大学院研究院,2025.11.29)へのコメントで、「游女の日记は「书く」行為による主体形成の表れであり、裁判史料は史料を逆なでに読むことで游女の声の発见につながる。エゴ?ドキュメント(书简?日记?自伝?回顾録?裁判记録など「一人称」で书かれた史料)研究の模范例である」と高评価している。
本讲演でとりわけ印象的だったのは、「吉原细见」と游女の序列に関する分析である。蔦谷重叁郎が定型化し、通常毎年二回出版された「吉原细见」には、吉原のすべての游女の名が店ごとに扬代金の顺で书かれており、「吉原细见」は廓そのものにとっても必须の出版物だった。この「吉原细见」について、横山氏は二つの役割があったと指摘する。第一に、客にとっての便利なガイドブックとしての役割、第二に、游女と游女屋の序列化とその可视化である。この序列化と可视化は、竞争の组织化を促がした。游女たちの生活の端々に至るまでその序列が浸透し、游女たちに廓の秩序を受け入れさせ、顺応させるうえで、极めて有効な手段となった。その一例として横山氏は、嘉永二年(1849)に梅本屋という游女屋で、过酷な待遇に堪えかねた16人の游女が共谋して放火し、直ちに自首し妓楼主の非道を诉えた事件に着目する。そして、决行の意思を固めるために书かれた誓纸の名前顺が「吉原细见」の记载顺であったことは、廓への反抗という场においてさえ、序列が游女たちに深く内面化されていたことを示す、と指摘する(『世界』178-179参照)。「(吉原)文化」は、どのように美しく芸术的であったとしても、廓での过酷な现実のなかで、游女支配の装置としても机能していく」のだ(『世界』179)。
讲演后のアンケートでは、「学术的な知见を得られたことで(吉原)游郭?游女?花魁に対するイメージが大きく変わった」といった内容がもっとも多かった。ほか、「游郭ほど表象と実像の差が甚だしいものはない」、「人身売买を禁じた一方、奉公という形で合法化したことは性产业と国家の密接な関わりの象徴である」、「常に男性中心の世界であると感じた」、「「昔」というブラックボックスに入ってしまうものを、当时の规范も含めてきめ细かく検証していくことの重要性を感じた」などの意见?感想が寄せられた。実証研究の成果が游郭?游女の过酷な状况への理解を深めさせ、また、今もなお解决されていない売买春や性暴力の问题、性の尊厳と女性の人権确立について考える机会を提供した点で、示唆に富む大変有意义な讲演であった。
讲演する横山氏
イベントポスター

